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電気圧力鍋の減圧時間は何分?減圧と圧力の抜き方を比較

タイトル文字の右に、壁掛け時計のあるキッチンと、カウンターに並んだ料理を描いたイラスト 調理家電
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電気圧力鍋の減圧時間は、メーカー公式の目安でシロカが5〜50分、クッキングプロ ベーシックが10〜30分程度、タイガーCOK-A220は「うま圧」メニューで約7分です。

ただし、この3つは料理の量・圧力・抜き方の条件がそろっていないため、横に並べて速さを比べる数字ではありません。

私も最初はカタログの「加圧5分」だけを見て、夕飯が一気に早くなると思い込んでいた一人です。仕様表とFAQ、取扱説明書を読み比べて、待ち時間の中心は加圧ではなく減圧のほうだと気づきました。

この記事は、2026年9月時点で各メーカーの公式FAQ・製品ページ・ニュースリリース・取扱説明書から確認できた情報をもとに整理しています。私自身の計測値は載せていません。理由は後半の章で書きます。

電気圧力鍋の減圧時間は何分?メーカー公式の目安一覧

結論:公表されている目安は「5〜50分」「10〜30分」「約7分」

2026年9月時点で、メーカー公式の情報から確認できた減圧時間の目安は次のとおりです。

  • シロカ「電気圧力鍋・おうちシェフ」シリーズ:圧力表示ピンが下がるまで5分から50分です(シロカお客様サポート)。
  • ショップジャパン「クッキングプロ ベーシック」:食材の量や内容で変わり、10〜30分程度です(取扱説明書14・19・33ページ)。
  • タイガー「TIGER COOKPOT COK-A220」:「うま圧」メニューで調理したあと約7分で減圧完了です(タイガー魔法瓶 製品ページ・2023年5月30日ニュースリリース)。

シロカのFAQは、減圧時間は調理内容によって異なると明記しています。つまり「5〜50分」は機種の差ではなく、同じシリーズの中での料理ごとの幅です。

3つの数字の「条件の違い」はどこにある?

シロカとショップジャパンの数字は「料理によって変わる範囲」で、タイガーの約7分は「特定のメニューを使ったときの値」です。

タイガーは取扱説明書(COK-A220/COK-N220・全28ページ)まで開いて確かめました。ここで分かったのは、手動で圧力をかけられるのは「うま圧」だけだということです。手動の7メニューのうち圧力調理は「うま圧」のみで、「高速」「無水」「スロー」「温め」「発酵」「ベイク」は圧力をかけない調理なので、そもそも減圧の工程がありません(取扱説明書5ページ「マニュアルモード 圧力調理について(「うま圧」のみ)」)。「うま圧以外の減圧時間が公開されていない」のではなく、うま圧以外は減圧しない、というのが実際のところです。

そのうま圧についても、取扱説明書には時間の内訳の図があり、総調理時間(設定時間)=加熱(予熱)時間+加圧時間+減圧時間(約5分)と書かれています(同5ページ)。製品ページの「約7分で減圧を完了」とは別の数字ですが、どちらも公式です。前者は手動の「うま圧」で設定時間に含まれる目安、後者は製品ページがうたう減圧の速さで、測っている場面が違います。同じメーカーの中でも、条件が違えば数字は変わるという、この記事で言いたいことそのものの例になっています。

自動のオートモードについては、41のメニューごとに「総調理時間(目安)」=加熱(予熱)時間+加圧時間+減圧時間の合計が載っています(取扱説明書3ページ。うま圧カレー32分、肉じゃが29分、豚の角煮1時間30分、魚の煮付け22分など)。減圧だけを取り出した数字は無いかわりに、待ち時間まで込みの合計が公表されている形です。

見るべきは数字の大小より、その数字がどんな条件で出ているかです。ここを飛ばすと「タイガーは7分、シロカは50分」という、実態とずれた比較になります。

機種別に「減圧時間の書かれ方」を比較する

公式情報で確認できた範囲を、圧力の抜き方と一緒に一覧にしました(2026年9月時点)。

機種圧力の抜き方公式で確認できた減圧時間
シロカ おうちシェフ系自然減圧ピンが下がるまで5〜50分
シロカ おうちシェフPRO(時短モード)自然減圧→自動減圧分数の記載なし(短縮できるとの説明のみ)
クッキングプロ ベーシック自然減圧(手動排気の手順あり)10〜30分程度
タイガー COK-A220自然減圧(低圧設計)うま圧メニューで約7分
ティファール CY3811J0ボタン排気(押し続け不要)取扱説明書にも分数の記載なし
アイリスオーヤマ KPC-MA4自然減圧(レバーで手動排気も可)取扱説明書にも分数の記載なし
パナソニック NF-AC1000自然減圧(ボタン操作で手動排気も可)製品ページ・FAQでは分数を確認できず

ティファールCY3811J0とアイリスオーヤマKPC-MA4は、公式の取扱説明書PDFを通して確認しましたが、減圧にかかる分数は書かれていませんでした。パナソニックNF-AC1000は、製品ページとFAQの範囲で見当たらなかったという意味です。

「記載なし」が多いこと自体が、選ぶときの情報になる

表を作ってみて意外だったのは、減圧時間を分数で公表しているメーカーが少数派だということです。人気機種でも、取扱説明書に「何分」とは書かれていません。

分数がないとき、手がかりになるのは圧力値と抜き方の2つです。この2つから待ち時間の見当をつける方法を、次の章から順に書きます。


電気圧力鍋の減圧になぜ時間がかかる?圧力値との関係は?

結論:中身が冷めるのを待つ時間なので、量と圧力で長くなる

減圧とは、加熱後に鍋の中が冷めて圧力が下がるのを待つ時間です。中身が多いほど、かけた圧力が高いほど、待ち時間は長くなりやすい構造です。

電気圧力鍋は密閉した鍋を加熱して中の圧力を上げ、水の沸点を100℃より高くして調理します。アイリスオーヤマKPC-MA4の取扱説明書でも、圧力をかけると沸点が上がり100℃より高い温度で調理できると説明されています。

加熱が終わっても、中が高温のあいだは圧力が残ります。蒸気として外へ逃がすか、温度が下がるのを待つか。後者が自然減圧です。

各社の圧力値は?タイガーは一般的な機種よりかなり低圧

先に結論を書くと、タイガーCOK-A220のうま圧は、ほかの機種と比べてかなり低い圧力で調理する設計です。公式の表記は次のとおりです。

  • タイガー COK-A220:約1.15気圧(うま圧メニュー)
  • シロカ SP-2DF231:70kPaゲージ圧/SP-2DM251:95kPaゲージ圧
  • ティファール CY3811J0:使用最大圧力70kPa
  • アイリスオーヤマ KPC-MA4:最高圧力70kPa
  • パナソニック NF-AC1000:最大約2気圧(2022年12月7日ニュースリリース)

「kPa」と「気圧」はどう読み替える?

ここは少し細かい話なので、気になる方だけ読んでください。

「ゲージ圧」と明記しているのはシロカだけです。ゲージ圧は大気圧を0とした値で、大気圧を含めた「絶対圧」とは約101kPaずれます。

タイガーとパナソニックの「気圧」表記は、絶対圧かゲージ圧かを公式ページから読み取れませんでした。そこで、絶対圧だと仮定した場合の私の換算を示します。

タイガーは発表の中で、一般的な電気圧力鍋を「1.7気圧以上」としています。70kPa(ゲージ圧)を絶対圧に直すと約1.7気圧なので、絶対圧の感覚で書かれていると読むと辻褄が合います。

その前提なら、約1.15気圧は大気圧より約15kPa高い状態、約2気圧は約100kPa高い状態です。70kPa級の機種と比べると、うま圧の低さがよく分かります。

圧力と待ち時間の関係は、公式情報からどこまで読める?

同じ料理をそろえて、圧力の違う機種の減圧時間を比べたメーカー公表値は見つけられませんでした。なので、ここからは公式情報から読み取れる範囲の話です。

タイガーは、うま圧メニューについて、高圧で調理する一般的な電気圧力鍋よりも、調理開始から食べられるまでの時間が短いと説明しています。低い圧力を選んだ狙いの一つに減圧の待ちの短さがある、と読める書き方です。

シロカの製品仕様表も材料になります。満水容量が同じ2.4Lの2機種では、95kPaのおうちシェフPRO(SP-2DM251)に自動減圧機能が「あり」、70kPaのおうちシェフ(SP-2DF231)は「なし」と書き分けられています。

少なくともこの2機種では、圧力の高いほうに減圧を短くする仕組みが載っている、ということです。シロカ全体の方針かどうかまでは、この比較だけでは言えません。

減圧は「ムダな待ち時間」ではなく「蒸らし」でもある

ここが、私の中でいちばん認識が変わった点です。最初は、料理はできているのにふたが開かないだけの時間だと思っていました。

ところがパナソニックの公式FAQは、減圧を「減圧(蒸らし)」と書いています。シロカも自動減圧の説明で、調理直後は煮崩れしないよう自然減圧を入れると案内しています。

メーカーは減圧を調理工程の一部として組み込んでいるわけです。待てないから抜くのは、レシピの一部を削る行為になりうる。そう読んでからは、減圧時間を「短いほど良い」とは見なくなりました。


圧力表示ピンが上がった状態と下がった状態を並べた比較
※画像はAIによるイメージ

電気圧力鍋の圧力の抜き方は何種類?自然減圧・手動排気・自動減圧の違い

結論:抜き方は4タイプ。ただし多くの機種は「自然減圧にひと手間を足す形」

公式情報を読み比べると、圧力の抜き方は次の4つに整理できます。1台が1タイプとは限らず、自然減圧を基本にして手動排気もできる機種が多い点に注意してください。

方式仕組みと手間公式情報で確認できる例
自然減圧加熱終了後、中が冷めてピンが下がるのを待つシロカ おうちシェフ、ほぼ全機種の基本
手動排気ボタンやレバーで蒸気を逃がす。蒸気の近くで操作するパナソニック NF-AC1000、アイリスオーヤマ KPC-MA4、クッキングプロ ベーシック
ボタン排気・自動減圧押すのは1回または設定だけで、排出は機械任せティファール CY3811J0(ボタン排気・押し続け不要)、シロカ おうちシェフPRO(時短モードの自動減圧)
低圧設計低い圧力で調理し、減圧そのものを短くするタイガー COK-A220(うま圧)

3行目は、ティファールとシロカPROで中身が違います。ティファールは調理後に自分で排気ボタンを押す方式、シロカPROは時短モードを設定しておけば機械が自動で排出する方式です。「手が離せる」という点は共通ですが、操作のタイミングが異なります。

自動減圧は「最初から一気に抜く」機能ではない

誤解されやすいのが自動減圧です。シロカのFAQ「おうちシェフ PRO:自動減圧機能とは?」によると、時短モードを設定すると調理終了後に蒸気が自動で排出されます。

ただし流れは、調理直後にまず自然減圧で一定まで下げ、ブザーが鳴ってから自動減圧に移る、というものです。理由は煮崩れを防ぐためとされています。

自動減圧は自然減圧をゼロにする機能ではなく、後半を短縮する機能です。ここを知らずに選ぶと、「ボタンですぐ開くと思っていた」というずれが生まれます。

同じ70kPaでも、排気が「標準手順」か「急ぐときの手段」かで違う

取扱説明書を2冊並べて気づいたのが、同じ70kPaでも排気の位置づけがまったく違うことです。

ティファールCY3811J0の取扱説明書では、圧力調理の手順そのものに「排気ボタンを押して蒸気を排出する」工程が入っています。製品ページでも、ボタンを押し続けずに排出を任せられると説明されています。

一方、アイリスオーヤマKPC-MA4は、画面に「減圧」と表示されて待つのが基本です。ピンが下がる前に抜く場合は、ぬれタオルとミトンを使ってレバーを回す手順が案内されています。

同じ「排気できる機種」でも、毎回使う前提のボタンか、急ぐときの手段かで、日々の手間は大きく変わります。仕様表の「排気可能」の一言では、この違いは見えません。

私が方式の違いで迷ったところと、今の見方

私が迷ったのは「手動で抜ける機種なら、どの料理でもすぐ開けられるのでは?」という点でした。けれど次の章で書くとおり、手動で抜かないよう指定している料理がメーカー自身から示されています。

さらに、排気を標準手順にしているティファールCY3811J0は、カレーのルウは圧力調理のあとに入れる、豆は鍋の深さの1/3以下にする、といった条件を取扱説明書で細かく決めています。早く抜ける仕組みは、材料の入れ方のルールとセットです。

だから今は「ボタン1つで抜けるか」より、その機種のルールを平日に毎回守れるかで見ています。


早く圧力を抜いてもいい料理・抜かないほうがいい料理は?

結論:とろみ・膜が張る料理・牛乳や豆乳・豆類は自然減圧で待つ

手動で抜かないほうがいいのは、とろみや粘りのある料理、膜が張りやすい料理、牛乳・豆乳を使う料理、煮豆などの豆類です。カレーやシチューはルウを入れる前に圧力調理します。

メーカーが「手動で抜かないで」と指定している料理

パナソニックの自動調理鍋向け公式FAQ「減圧中にやむを得ず早い目にふたを開けるときは(手動排気)」には、手動排気をしない料理がはっきり書かれています。同社FAQによると、自動調理鍋の中で圧力調理ができるのはNF-AC1000のみです。

  • 粘りけやとろみのあるもの(さといもなど)
  • 膜が張りやすいもの

これらは吹きこぼれるため、手動排気せずゆっくり圧力が下がるのを待つよう案内されています。別のFAQ「オートクッカーに入れてはいけない材料」でも、牛乳や豆乳は水で薄め、手動排気をしないよう書かれています。

豆類は「仕上がり」のためにも自然減圧が選ばれている

同じFAQでは、煮豆などの豆類はゆっくり圧力を下げたほうが皮の破れを抑えられる、とされています。安全のためだけでなく、仕上がりのためにも待つ例です。

豆は減圧以前に、量の制限も厳しい食材です。ティファールCY3811J0は、豆と水分を合わせて鍋の深さの1/3以下にし、蒸し台を逆さにして落としぶたをするよう指定しています。豆の皮がノズルに入り込むのを防ぐためです。

「煮崩れ」には原因が2つあり、対策が逆になる

煮崩れ対策はここで混乱しやすいので分けて書きます。原因が違うと、手を打つ場所が逆になるからです。

1つめは加熱しすぎによる煮崩れです。アイリスオーヤマKPC-MA4の取扱説明書は、圧力調理は材料が早く煮えるので長時間加熱すると煮くずれることがある、と注意しています。対策は加圧時間を短めにすることです。

2つめは減圧の仕方による煮崩れです。シロカは、調理直後は煮崩れしないよう自然減圧から入ると説明しています。急に圧力を下げると煮汁が沸き立ちやすくなる、というのが私の理解で、だから最初は静かに下げる設計なのだと読んでいます。

火が入りすぎるなら時間を削る。急な減圧で崩れるなら待つ。同じ言葉でも、対策は正反対です。

カレーやシチューは「ルウを入れる前」に圧力調理する

ティファールCY3811J0の取扱説明書は、ルウなど粘性の強いものは具材だけを加圧調理したあと、圧力をかけない状態で入れるよう書いています。ルウがノズルに入り込み、圧力調整ができなくなるおそれがあるからです。

アイリスオーヤマKPC-MA4も、カレー・シチューなどとろみのあるものは圧力調理しないよう注意しています。公式レシピのカレーでも、圧力表示ピンが下がったのを確認してからルウを入れる手順です。ルウは減圧が終わってから、と覚えておくと迷いません。


ミトンをはめた手で、ふきんをかぶせた排気口のつまみを回しているところ
※画像はAIによるイメージ

電気圧力鍋の圧力を手動で抜く手順と注意点は?機種別に確認

パナソニック NF-AC1000:「減圧中」表示の間にボタン操作

パナソニックの公式FAQによると、手動排気は加熱が終わって「減圧中」と表示されている間に行います。所定のボタンを長押しし、画面の指示どおりに押すと調圧弁が開いて排気が始まります。

ブザーが鳴ったら、蒸気が出ていないことを確認してからハンドルを回して開ける流れです。減圧中にふたを強く押さえると、急に蒸気が強く出ることがあるとも書かれています。

ティファール CY3811J0:排気ボタンを押し、ピンが下がってから開ける

ティファールCY3811J0の取扱説明書は、カウントダウンが終わってブザーが鳴った時点では、まだ鍋の中に圧力が残っていると警告しています。残っている間は「圧力(残)」ランプが点滅します。

排気ボタンを押して蒸気を出し、圧力調整おもりから蒸気が出なくなって、圧力表示ピンが下がったのを確認してからふたを開けます。ふたをスライドするときに重いと感じたら、圧力が残っている可能性があるので無理に開けないよう書かれています。

アイリスオーヤマ KPC-MA4:ぬれタオルとミトンでレバーを回す

ピンが下がる前に圧力を抜く手順は次のとおりです(取扱説明書より)。

  • 保温/取消ボタンを押して圧力調理を終了する
  • ぬれタオルをおもりの上にかぶせ、ミトンをはめた手でレバーを「排気」に合わせる
  • 蒸気が出なくなったらタオルを取り、圧力表示ピンが下がっていることを確認する
  • ふたのすき間から蒸気が出ないのを確かめながら、少しずつ開ける

タオルとミトンを用意する分だけ、ボタン式より手間があります。平日に毎回やるか、休日の急ぎのときだけ使うかで、この機種への評価は分かれそうです。

どの機種にも共通する「やってはいけないこと」

各社の案内から、共通する注意点を抜き出します。

  • 圧力表示ピンが下がる前にふたを開けようとしない
  • 排気中の蒸気口やおもりに顔や手を近づけない
  • 減圧中にふたを強く押さえない
  • 取扱説明書にない方法で冷やさない

アイリスオーヤマKPC-MA4の取扱説明書は、内なべが熱いうちに水を入れて急冷しないよう書いています。本体は電気製品なので、直火の圧力鍋で見かける冷やし方を当てはめるのは避けてください。


電気圧力鍋のピンが下がらない・減圧が長すぎるときは?

結論:まず取扱説明書の「最長時間」を超えているかで判断する

判断基準は1つです。お使いの機種の取扱説明書に書かれた最長の減圧時間を過ぎても下がらないか。範囲内なら量や水分が多かっただけの可能性が高く、超えたら汚れや部品の状態を疑います。

公式の目安の上限は、シロカで50分、クッキングプロ ベーシックで30分程度でした。上がるとき・下がるときそれぞれの目安は電気圧力鍋のピンが上がらない時|ピンが下がるまでの時間の目安でもう少し細かく扱っています。

パナソニックFAQの「70分」はどう読む?

パナソニックの公式FAQ「電気圧力鍋のピンが上がらない・下がらない」では、減圧(蒸らし)の完了までに10分以上かかるとしたうえで、取扱説明書の最長時間を過ぎても下がらない場合を異常の目安にしています。

このFAQには「取扱説明書に記載されている最長の時間(ブザーが鳴ってから70分)」と書かれています。ここは取り違えやすいので、はっきりさせておきます。この70分は「電気圧力鍋」のFAQの数字で、対象はNF-PC400とSR-MP300です。本記事で何度か出てくるNF-AC1000は「オートクッカー」という別のシリーズで、このFAQの対象ではありません(同じFAQ内の部品案内が、電気圧力鍋=SR-MP300/NF-PC400、オートクッカー=NF-AC1000/NF-AC700と分けて書いています)。

オートクッカー側には別のFAQ「オートクッカーの蓋が開かないときは」があり、こちらは分数ではなく「4時間以上経っても開かない時は、点検・修理が必要です」という書き方です。同じメーカーでも、シリーズが違えば目安の出し方そのものが違う、ということになります。

つまり「70分」はどの機種にも当てはまる一般則ではなく、電気圧力鍋シリーズの取扱説明書に載っている最長時間です。お使いの機種がどちらのシリーズかを先に確かめてから、この数字を当てはめてください。

私自身、最初はこの70分を見て「そんなに待つのか」と身構えました。けれど条件付きの例示だと分かってからは、数字そのものより「取扱説明書のどこに最長時間が書いてあるか」を先に探すようになりました。

ピンの汚れで「下がらないように見える」ことがある

各社がそろって挙げているのが、ピンまわりの汚れです。パナソニックのFAQは、調味液などが付いて圧力表示ピンが動かなくなっている可能性を挙げ、手動排気をしてからお手入れするよう案内しています。

ショップジャパンのクッキングプロ ベーシックのFAQでも、ピン付近の汚れはピンが下がるのを妨げるおそれがあるとして、ピンだけでなくふた全体を手入れするよう書かれています。内ぶたは差し込まれているだけなので、つまみを持って引くと外れる構造です。

ティファールCY3811J0の取扱説明書も、ピンの汚れで降りていない場合は排気ボタンで圧力を抜いてから対処する流れで案内しています。いずれも「汚れを疑う前に、まず圧力を抜く」という順番は共通です。

自分で直そうとせず、メーカーに相談したほうがいいケース

次のような状態は、手入れで解決しない可能性があるので、取扱説明書のトラブル項目を確認したうえでメーカー窓口に相談するのが安全です。

  • 手入れをしても、最長時間を大きく超えてピンが下がらない
  • 排気操作をしても蒸気が出ない、または異常な音や蒸気が続く
  • ふたが明らかに重く、圧力が残っているように感じる

パッキンや部品の付け方にずれがないかも、取扱説明書の点検手順に沿って確認してください。無理にふたを開けたり、分解したりするのは避けるべき場面です。ふたが開かなくなったときの手順そのものは電気圧力鍋の蓋が開かない・ピンが下がらない時の安全な対処手順にまとめています。

手入れのしやすさは、減圧トラブルの起きにくさに直結する

ここは購入前に見落としやすい点です。ピンの汚れが減圧トラブルの原因として挙がる以上、ふたまわりを外して洗いやすいかは、使い勝手だけでなく待ち時間の安定にも関わります。

仕様表では減圧時間より目立たない項目ですが、ふたの分解方法を取扱説明書で先に確認しておくと、手入れの手間が事前に分かります。パーツの数で手入れの手間がどれくらい変わるかは洗いやすい電気圧力鍋はこれ|パーツの少なさで手入れの手間はここまで変わるで機種ごとに比べています。

キッチンカウンターに置いた電気圧力鍋と、盛りつけた料理が並んだ食卓
※画像はAIによるイメージ

減圧込みで考えると、電気圧力鍋の夕飯は何分で出せる?

結論:「加圧時間」ではなく「予熱+加圧+減圧」の合計で見る

電気圧力鍋の所要時間は、圧力が上がるまでの時間+加圧時間+減圧時間の合計です。カタログやレシピの「加圧◯分」だけでは、食卓に出せる時刻は読めません。

さらにカレーのように、減圧後にルウを入れて煮る工程がある料理は、その時間も足す必要があります。

公式レシピを見るときは「表示時間に何が含まれているか」を確認する

メーカーの公式レシピには調理時間が載っていることが多いですが、その数字に減圧が含まれているかどうかは、レシピによって書き方が違います。

私が確認するのは次の3点です。

  • 表示の時間は「加圧時間」か「調理全体の時間」か
  • 減圧を「自然減圧」で待つ前提か、排気する前提か
  • ルウ入れや煮詰めなど、減圧後の工程が別に書かれていないか

この3点が読めれば、自分の家の帰宅時刻から逆算しやすくなります。

私が自分の計測値を載せない理由

評価の高い記事ほど「実際に測ったら◯分だった」と書かれていることがあります。ただ、この記事ではあえて私の計測値を載せていません。

減圧時間は料理の量・水分・材料・室温で大きく変わり、メーカー自身が5〜50分という幅で示すほどです。条件をそろえずに測った1回の数字は、読者の家での時間とずれやすく、かえって判断を誤らせると考えています。

その代わり、メーカーが示している幅と、その幅が生まれる理由を読み解くことに徹しました。数字の出どころが公式である限り、読む時期が変わっても確かめ直せるからです。

予約調理と組み合わせるときの注意点

帰宅時にでき上がっている状態を狙うなら予約調理ですが、ここにも減圧が関わります。予約の終了時刻が「加圧終了」なのか「食べられる状態」なのかは、機種ごとに取扱説明書で確認してください。

また、牛乳・豆乳を使う料理や、生の肉・魚など長時間置くことに不安がある材料は、予約に向かない場合があります。予約できる料理の条件は各社の取扱説明書に書かれているので、ここは購入前に目を通しておくと安心です。


減圧時間で選ぶなら、どの方式の電気圧力鍋が向いている?

平日に「帰宅から食卓まで」を詰めたい共働き世帯

待ち時間を読みやすくしたいなら、低圧設計(タイガーCOK-A220のうま圧)か、自動減圧・ボタン排気の機種が候補になります。

ただし、低圧設計の約7分はうま圧メニューに限った値で、自動減圧も前半は自然減圧が入ります。「どれを選んでも減圧ゼロにはならない」と分かったうえで選ぶのが、買ってからの不満を減らす近道です。

煮込みや角煮など、仕上がりを重視したい人

とろみのある料理や煮込みが中心なら、自然減圧で待つ時間は「蒸らし」として割り切れます。この場合、排気機能の有無より、容量・圧力値・手入れのしやすさを優先したほうが満足度は上がりやすいと考えています。

95kPaのシロカ おうちシェフPRO(SP-2DM251)のように高めの圧力と自動減圧を併せ持つ機種は、仕上がりと時短を場面で使い分けたい人に合います。

豆をよく炊く人・とろみ料理が多い人

豆類ととろみ料理は、各社がそろって手動排気を避けるよう案内している食材です。排気の速さはあまり活きないので、豆の量の上限や落としぶたの指定など、取扱説明書の条件が守りやすい機種かを先に確認してください。

電気圧力鍋そのものが向きにくい人

一人暮らしで作る量が少ない人、キッチンの作業台が狭く本体を出しっぱなしにできない人、毎日は自炊しない人は、減圧を待つ手間と置き場所に対して得られる時短が小さくなりやすいです。

また、減圧の待ち時間そのものより「献立を考えて下ごしらえする手間」が負担の中心なら、家電だけでは解決しにくい部分が残ります。その場合は、下ごしらえ済みの食材宅配やミールキットを組み合わせる選択肢もあります(向き不向きはミールキットのメリット・デメリット総まとめ|向いている人チェックリストで整理しています)。


まとめ:電気圧力鍋の減圧時間は「幅」と「条件」で読む

電気圧力鍋の減圧時間は、公式の目安でシロカ5〜50分、クッキングプロ ベーシック10〜30分程度、タイガーCOK-A220のうま圧で約7分でした。ただし条件がそろっていないため、数字の大小だけで選ぶのは危険です。

選ぶときは、次のように自分の優先順位で振り分けてみてください。

  • 待ち時間を短く読みたいなら:低圧設計、または自動減圧・ボタン排気の機種
  • 仕上がりを優先したいなら:自然減圧を「蒸らし」と割り切り、容量や手入れで選ぶ
  • 豆やとろみ料理が多いなら:排気の速さより、取扱説明書の条件を守りやすいか
  • 下ごしらえの負担が大きいなら:家電に加えて食材宅配なども視野に入れる(共働き夫婦の夕飯を救うミールキット活用術とおすすめサービス)

私が最後にたどり着いた見方は、「減圧が短い機種を探す」ではなく「減圧をどう扱う設計の機種か」を読むことでした。

今後について言えば、タイガーの低圧設計やシロカPROの自動減圧のように、減圧の待ちを設計で扱う機種は増えていく流れにあると見ています。一方で、減圧時間を分数で公表しているメーカーはまだ少数です。

利用者が一番知りたいのは「何分で食卓に出せるか」なので、代表的なメニューの減圧時間を公式に示すメーカーが増えれば、選ぶ側の迷いはかなり減るはずです。それまでは、公式の幅と取扱説明書の条件を突き合わせて読むのが、いちばん確実な判断材料になります。


よくある質問

電気圧力鍋の減圧は、何分くらい待てばいいですか?

公式の目安はシロカで5〜50分、クッキングプロ ベーシックで10〜30分程度です。料理の量や内容で変わるので、まずお使いの機種の取扱説明書にある最長時間を基準にしてください。

自動減圧の機種なら、調理後すぐにふたを開けられますか?

すぐには開けられません。シロカ おうちシェフPROの場合、調理直後はまず自然減圧で一定まで下げ、そのあと自動減圧に移る流れと公式FAQで説明されています。

カレーを作るとき、早く圧力を抜いてもいいですか?

ルウは圧力調理のあと、減圧が終わってから入れるのが各社の案内です。とろみのある状態での手動排気は吹きこぼれにつながるため、パナソニックなどは避けるよう案内しています。

参照した公式ページ・公的資料

この記事を書いた人
橘亮介

買ってから後悔する人を減らしたい。それだけのために、このサイトをやっています。

調理家電は、カタログの数字を見比べても決まりません。効いてくるのは容量・置き場所・洗うパーツの数といった地味なところで、たいてい買った後に気づきます。だから公式の仕様を突き合わせて、先に分かる形にしています。

共働きの家事分担をきっかけに、調理家電の仕様を調べ尽くすようになった橘です。数値はメーカー公式の表記を確かめてから書きます。確かめられない数字は書きません。向かない方のことも、はっきりお伝えします。

記事の中で「ここ違うのでは」と思われたら、ぜひ教えてください。

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