結論から言うと、電気圧力鍋は「電気代が高い家電」ではありません。公開されている試算では主要機種の中心帯が1時間あたり約18.6〜24.8円、1000Wクラスまで含めると上限で約31円。都市ガスの圧力鍋を中火で1時間使った場合の約20.16円とほぼ同じ水準です(出典:ドコモでんき「電気圧力鍋の電気代は高い?ガス圧力鍋と光熱費を比較」2024年4月17日公開)。
ただ、私が調べていて一番引っかかったのはそこじゃない。問題は「1時間」という前提のほうで、実際の稼働時間はレシピに書かれた加圧時間より長くなります。
私も最初、消費電力の数字だけ見て「800Wなら電子レンジと同じくらいか」と納得しかけて、途中で計算の土台が違うことに気づきました。ここを外すと、目安が全部ズレます。
- 電気圧力鍋の電気代は1時間でいくら?計算方法と目安
- 電気圧力鍋の電気代は本当に高い?他の家電と並べて考える
- 電気圧力鍋とガス圧力鍋、光熱費はどっちが安い?
- 電気圧力鍋の保温の電気代は?仮定値で試算する
- 電気圧力鍋の電気代は加圧時間で計算すると外れる|稼働時間=加圧+加熱+減圧
- 電気圧力鍋は何W?主要メーカー型番別の消費電力一覧
- 電気圧力鍋の電気代を節約する方法は?効果が大きい順に
- 電気圧力鍋のデメリットは?買う前に必ず確認したい注意点
- 電気圧力鍋で後悔したのは電気代ではない|口コミに多い2つの理由
- 今後、この電気代の目安はどう変わるか
- まとめ:電気代で悩むより、稼働時間と置き場所で決める
- よくある質問
- あわせて読みたい
電気圧力鍋の電気代は1時間でいくら?計算方法と目安
31円/kWhで計算すると、600Wで1時間約18.6円、800Wで約24.8円、1000Wで約31.0円。10分なら3〜5円台です。必要なのは自分の機種のワット数ひとつだけで、あとは掛け算で出せます。
電気代の計算は消費電力×時間×単価だけ
電気代の計算式はどのメーカーでも共通です。
電気代=消費電力(W)÷1,000×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)
単価は公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価31円/kWh(税込・2024年10月時点)が各社の試算で使われています(出典:コツコツCD「電気圧力鍋の電気代は高い?ガス代との比較やガス圧力鍋との違いも解説」2025年2月2日公開)。
自分の機種のワット数は、取扱説明書や本体の銘板、メーカー公式の仕様ページで確認できます。多くの機種は「消費電力」の欄に定格値が記載されています。
ワット数別・1回/1時間あたりの電気代目安
31円/kWhで計算すると、こうなります。「電気圧力鍋 1回 電気代」を知りたい人は、10分・30分の列を見てください。
| 消費電力 | 10分 | 30分 | 1時間 |
|---|---|---|---|
| 600W | 約3.1円 | 約9.3円 | 約18.6円 |
| 700W | 約3.62円 | 約10.9円 | 約21.7円 |
| 760W | 約3.93円 | 約11.78円 | 約23.6円 |
| 800W | 約4.13円 | 約12.4円 | 約24.8円 |
| 900W | 約4.65円 | 約14.0円 | 約27.9円 |
| 1000W | 約5.17円 | 約15.5円 | 約31.0円 |
(電気単価の前提:すべて31円/kWh。600W・700W・800Wの数値はドコモでんきの試算、760Wの30分あたり11.78円はエネチェンジの試算(更新日2024年11月7日)、900W・1000Wはエバーグリーンの試算(2021年7月30日公開)に基づく目安。エバーグリーンの試算は公開年が古いため参考値として並べています)
この31円/kWhは「全国共通の目安単価」であって、あなたの契約単価ではありません。 検針票に載っている単価に置き換えて計算してください。
- 自宅単価での式:消費電力(W)÷1,000×使用時間(h)×検針票の単価(円/kWh)
- 例:800Wで1時間、単価25円なら → 0.8×1×25=約20円
- 例:800Wで1時間、単価38円なら → 0.8×1×38=約30.4円
契約プランや地域によって単価は20円台から40円近くまで散ります。同じ機種でも、記事の数字と自宅の数字が1.5倍違うことは普通に起こります。
1か月・1年に換算するとどうなるか
1日1時間、毎日使ったと仮定した場合の1か月(30日)の電気代目安は、600Wで約558円、800Wで約744円と試算されています(出典:ドコモでんき)。
コツコツCDの調査では、複数商品を調べた平均的な消費電力は約770Wで、1か月あたり約716.1円という数字が出ています。
月700円前後。これが電気圧力鍋のコスト感の中心線です。
一人暮らしなら月いくら?2Lクラスの目安
「電気圧力鍋 一人暮らし 電気代」で調べている人向けに、2Lクラスだけ切り出しておきます。
2Lクラスの代表的な消費電力は600W。ドコモでんきの試算では、毎日1時間で1か月約558円、1年で約6,700円前後という水準です。
ただし一人暮らしで毎日1時間フル稼働させる人は多くないはずで、週3回・1時間なら月200円台に収まります。一人暮らしで電気代がネックになって導入をためらう必要は、金額面ではほぼないというのが私の見立てです。
むしろ一人暮らしで問題になるのは置き場所のほうで、これは後半のデメリット章で詳しく書きます。
待機電力(プラグ挿しっぱなし)は含まれるのか
月700円前後という数字には、待機電力は基本的に含まれていません。各社の試算はいずれも「消費電力×使用時間」で計算しており、非稼働時の待機分は計上されていないためです。
電気圧力鍋の待機時消費電力を公表している機種は限られており、公式仕様に記載がない機種も少なくありません。記載がある場合は仕様表の「待機時消費電力」欄で確認できます。
一般に待機電力は1W前後のオーダーで語られる区分の数値ですが、機種ごとの実数が確認できない以上、ここは断定を避けます。気になるなら購入予定機種の仕様表を見て、記載がなければメーカーに問い合わせるのが確実です。
電気圧力鍋の電気代は本当に高い?他の家電と並べて考える
電気圧力鍋は、電気代が高い家電のランキング上位には入りません。毎日1時間使っても年間8,000〜9,000円程度で、冷蔵庫1台とほぼ同水準。ただし1回あたりの調理コストで見れば、炊飯器のほうが安いという結果になります。
電気代が高い家電の上位に圧力鍋は入っていない
出光興産のコラム「電気代が高い家電ランキング12選」(2025年3月27日公開)では、1位エアコン、2位洗濯乾燥機、3位食器洗い乾燥機、4位冷蔵庫、5位照明という順になっています。
同記事によればエアコンの年間電気代は一般的に1万〜3万円程度、冷蔵庫は機種によって年間約6,670〜8,510円。ランキング12位までに電気圧力鍋は登場しません。
一方、電気圧力鍋を毎日1時間使っても年間8,000〜9,000円程度の計算です。冷蔵庫1台とほぼ同じか、少し多い。ただし冷蔵庫は24時間365日動いています。
月700円は家計の中でどのくらいの位置か
金額の実感を掴むために、同じ試算条件で他の家電と並べてみます。
コツコツCDの試算では、炊飯器が1か月約150.8円。出光興産のコラムにある冷蔵庫の年間約6,670〜8,510円は、月に直すと約556〜709円です。
つまり電気圧力鍋を毎日1時間使ったときの月700円前後は、冷蔵庫1台を1か月動かすのとほぼ同じという位置づけになります。24時間動き続ける冷蔵庫と、1日1時間の鍋が並ぶわけです。
言い換えると、稼働時間あたりの単価は決して安くない。それでも家計インパクトとしては冷蔵庫1台分に収まる、という二面性がある家電です。
炊飯器と比べると1回のコストは高い
ここは正直に書きます。コツコツCDの比較では、電気圧力鍋の1時間あたり約23.9円に対し、炊飯器は炊飯1回あたり約5.00円、1か月約150.8円。1回の調理コストで見れば炊飯器のほうが安いという結果です。
同じ「ごはんを炊く」用途なら炊飯器のほうが経済的、という当たり前の結論になります。電気圧力鍋の価値は、そこじゃないところにある。
私が「高い/安い」を判断するときの基準
私は電気代の絶対額よりも、その1回でコンロが何分空いたかを見ています。
ガス圧力鍋は火加減の調整が必要で、調理中にキッチンを離れられません。電気圧力鍋はスイッチを押せば放っておける。この差を数十円で買えるなら、平日の夕方には割に合う、と私は判断しています。
逆に休日で時間に余裕があるなら、わざわざ電気圧力鍋を出す理由は薄い。ここは正直に言っておきたいところです。
電気圧力鍋とガス圧力鍋、光熱費はどっちが安い?
都市ガスの中火(約20.16円/時)と電気圧力鍋の中心帯(約18.6〜24.8円/時)はほぼ互角で、大きな差はありません。ただしプロパンガス契約なら電気圧力鍋のほうが有利になりやすい、というのが各社の試算に共通する傾向です。
都市ガスならほぼ互角
ドコモでんきの試算では、東京ガスの発熱量45MJ/㎥、ガス料金単価約150円/㎥として、都市ガスの圧力鍋を1時間使った場合のガス代は以下の通りです。
- 弱火(0.38kW):約4.56円
- 中火(1.68kW):約20.16円
- 強火(2.97kW):約35.64円
電気圧力鍋の中心帯18.6〜24.8円と並べると、中火とほぼ同じ。ここに大きな差はありません。
各社の試算で数字が割れるのはなぜか
ややこしいのは、試算元によって「中火」「強火」の出力の置き方が違う点です。
(電気単価の前提:ドコモでんき・コツコツCD=31円/kWh、カテエネの1000W=28.61円は逆算すると約28.6円/kWh前提。以下の数字は同一条件の比較ではありません)
コツコツCDの試算では弱火1.29kW・中火2.25kW・強火3.68kWとされ、1時間あたり弱火約13.5円・中火約23.5円・強火約38.4円。エネチェンジは強火2.97kW・中火1.68kW・弱火0.38kWで計算しています。
中部電力ミライズのカテエネのコラム(2025年4月25日公開)では、ガス消費量2.97kW(強火)・都市ガス156.29円/㎥という条件で、両手圧力鍋(都市ガス)が1時間約37.13円、電気圧力鍋(1000W)が約28.61円という結果を出しています。
同じ「圧力鍋のガス代」でも、13円台から38円台まで3倍近い幅がある。私はここを並べて確かめて、ようやく理由が腑に落ちました。
ガスコンロの「中火」には、電気の800Wのような統一された定義が存在しません。 電気は消費電力が銘板に印字された固定値ですが、ガスの火力はつまみの位置と器具の最大能力で決まる連続量です。だから各社は「強火=コンロの最大能力」「中火=その半分程度」と自社で仮置きするしかなく、置き方が違えば結論も変わる。
つまり、ガスとの比較記事を読むときに見るべきは結論の金額ではなく、その記事が中火を何kWで置いたか、電気を何円/kWhで置いたかです。ここが自宅の条件と違えば、その数字は自分には当てはまりません。
プロパンガスなら電気圧力鍋が有利になりやすい
カテエネの試算では、プロパンガス(全国平均単価706円/㎥)の両手圧力鍋を強火1時間で約76.25円。同記事の電気圧力鍋の約28.61円と比べると倍以上の開きがあります。
ヤマダデンキの情報サイト内の電気圧力鍋の電気代に関する解説ページでも、プロパンガス家庭では電気圧力鍋のほうが経済的という利用者の声が紹介されています。ただし同ページは公開日の記載が確認できず、地域や契約内容によって大きく異なるため一概には言えないとの注意も添えられています。伝聞として扱うのが妥当な情報です。
都市ガスかプロパンかで、判断の材料が変わる。自宅の検針票を見れば分かることなので、購入前に一度確認する価値があります。

電気圧力鍋の保温の電気代は?仮定値で試算する
保温は加圧調理時とは電気代の桁が違い、消費電力を30〜60Wと仮定すれば1時間あたり約0.93〜1.86円。ただし保温時消費電力を公式サイトの製品仕様ページで公表している機種は限られており、以下の数値は公表値ではなく仮定値です。
保温は「弱い加熱を断続的に続けている」状態
保温は、鍋の温度が下がったら温め直すという動作を繰り返します。加圧調理時の最大消費電力(800Wなど)がずっと出続けるわけではありません。
たとえばパナソニックの電気圧力鍋 NF-PC400は、公式仕様で消費電力800W。私が公式の製品仕様ページを確認した範囲では、この機種の「保温時消費電力」は独立した項目としては見当たりませんでした。
つまり、保温の電気代を公式仕様の実数から計算することは、多くの機種では現状できません。ここは正直に書いておきます。
30W/40W/60Wと置いた場合の試算表
そこで、保温時の消費電力を仮に置いて幅で示します。以下はメーカー公表値ではなく、私が仮定値として置いた数値による試算です。
| 保温時消費電力(仮定値) | 1時間 | 4時間 | 8時間 |
|---|---|---|---|
| 30W | 約0.93円 | 約3.72円 | 約7.44円 |
| 40W | 約1.24円 | 約4.96円 | 約9.92円 |
| 60W | 約1.86円 | 約7.44円 | 約14.88円 |
(電気単価の前提:31円/kWh。消費電力はいずれも仮定値であり、特定機種の公表値ではありません)
言いたいのは金額そのものではなく、桁です。保温1時間=24.8円という計算にはならない。加圧1時間分の電気代で、保温なら十数時間まかなえる水準になります。
実際の消費は室温や中身の量、蓋の開閉頻度で変動します。購入予定機種の取扱説明書に保温時消費電力の記載があれば、そちらを優先してください。
それでも長時間保温をすすめない理由
電気代が数円なら保温しっぱなしでいい、とはなりません。理由は衛生面と味です。
ヤマダデンキの情報サイトでは、調理終了後は余熱を活用して保温し、再加熱を避けることが節約につながると紹介されています。
参考になるのが炊飯器の考え方です。出光興産のコラムでは、炊飯器を4時間以上保温するなら一度冷蔵・冷凍して電子レンジで温め直したほうが電気代を抑えられ、7時間以上なら炊き直したほうが経済的と解説されています。
電気圧力鍋も、長時間の保温を前提にするより、粗熱を取って保存容器に移すほうが理にかなっている場面は多い。電気代が理由というより、保温は「食べるまで数十分」の待機のための機能だと割り切ったほうが使い方を間違えません。
予約調理が使えない料理がある
保温と並んで、買ってから気づく人が多いのが予約機能の制約です。
エネチェンジは電気圧力鍋のデメリットとして「予約調理ができない機種が多い」ことを挙げています。予約対応の機種でも、傷みやすい食材や特定のメニューは予約不可とされている場合があります。
「朝セットして帰宅時に完成」を期待して買うなら、その機種で何が予約できて何ができないかを、公式サイトのメニュー一覧で買う前に確認しておくべきです。ここは私が一番、購入者の後悔を見かけるポイントでした。
電気圧力鍋の電気代は加圧時間で計算すると外れる|稼働時間=加圧+加熱+減圧
レシピの加圧10分でも、加圧10〜20分+加熱10分+減圧10〜40分で、実稼働は1時間を超えることがあります。だから電気代の目安は「1時間」で置いておくのが現実的です。
レシピの「10分」は電源が入っている時間ではない
エネチェンジの解説によれば、電気圧力鍋は加圧→加熱→減圧という工程が必要で、レシピに10分と書いてあっても、実際は加圧10〜20分、加熱10分、減圧10〜40分と、トータルで1時間以上かかることもあります。
同記事は、レシピに書かれた煮込み時間には加圧前・減圧後の時間が含まれていない場合が多いとも指摘しています。
だから電気代の目安は「1時間」で置くのが現実的
私は最初、「加圧15分のレシピなら15分×消費電力で計算すればいい」と思っていました。これが間違いでした。
減圧中もセンサーや保温が働く機種があり、電源が入っている以上ゼロにはなりません。だからこそ、各社が1時間あたりの数字を出しているのは合理的なんです。
レシピ時間で計算すると安く見積もりすぎる。1時間で見ておけば大きく外れない。 これが私の使っている目安です。
時短=節電、とは限らない
エネチェンジは、すべてのレシピにおいて「電気圧力鍋は時短調理だから電気代の節約ができる」というわけではないようだ、と明確に書いています。角煮のように長時間煮込む料理なら時短になる場合もある、という整理です。
電気圧力鍋が有利になるのは「鍋でコトコト1〜2時間かかる料理」であって、10分で炒め終わる料理を電気圧力鍋でやっても意味がない。ここを混同すると「思ったより安くならない」という感想になります。

電気圧力鍋は何W?主要メーカー型番別の消費電力一覧
主要機種の消費電力は600W〜1000Wのレンジに収まります。2Lクラスが600W前後、3〜4Lクラスが700〜800W、大容量やIH式で900〜1000W。1時間あたりの電気代目安に直すと約18.6〜31.0円の幅です。
2〜4Lクラスの消費電力比較
エバーグリーンとドコモでんきが公開している型番別のデータを整理します。
| メーカー・型番 | 消費電力 | 容量 | 1時間あたり電気代目安 |
|---|---|---|---|
| Re・De Pot 電気圧力鍋 2L | 600W | 2L | 約18.6円 |
| ティファール ラクラ・クッカー プラス コンパクト | 700W | 3L | 約21.7円 |
| siroca おうちシェフ PRO Mタイプ SP-2DM251 | 700W | 2.4L | 約21.7円 |
| パナソニック NF-PC400 | 800W | 3.9L | 約24.8円 |
| アイリスオーヤマ KPC-MA3-H | 800W | 3L | 約24.8円 |
| ティファール クックフォーミー CY9221JP | 900W | 3L | 約27.9円 |
| アイリスオーヤマ PC-MA4 | 1000W | 満水4.0L(調理容量2.6L) | 約31.0円 |
(出典:ドコモでんき2024年4月17日公開、エバーグリーン2021年7月30日公開、エネチェンジ更新日2024年11月7日。電気単価の前提はいずれも31円/kWh。エバーグリーンの試算は公開年が古いため参考値。価格・仕様は変動するため最新はメーカー公式でご確認ください)
自分の数字が知りたいときは、消費電力÷1,000×使用時間×検針票の単価に置き換えてください。
消費電力が高い=損とは限らない(試算で確かめる)
エバーグリーンの解説では、消費電力が高い機種は加熱パワーが強く、予熱や調理時間が短くなる傾向があるため、実際の調理1回あたりのコストにはそこまで大きな差が出ない場合もある、と説明されています。
これは言葉だけだと腑に落ちにくいので、稼働時間を置いて計算してみます。同じメニューを作ったと仮定した試算です。
| 条件(仮定) | 計算 | 1回あたり |
|---|---|---|
| 600W × 80分 | 0.6×1.333×31 | 約24.8円 |
| 1000W × 50分 | 1.0×0.833×31 | 約25.8円 |
| 1000W × 45分 | 1.0×0.75×31 | 約23.3円 |
(電気単価31円/kWh。稼働時間は私が仮に置いた数値で、メーカー公表の所要時間ではありません)
1時間あたりで見れば600Wと1000Wは12.4円差ですが、稼働時間が30分縮めば1回あたりコストはほぼ並び、35分縮めば逆転します。つまり「1000Wだから高い」と切り捨てる判断には根拠がない。
だから私は、ワット数だけを見て機種を落とすことはしません。見るのはW数と、そのメニューを何分で仕上げる設計かのセットです。
マイコン式とIH式、どちらを選ぶか
ドコモでんきは、加熱方式にはマイコン式とIH式があり、マイコン式のほうが消費電力は低くなると解説しています。同記事は、IHは消費電力が大きいがムラなく加熱でき、煮込み料理には最適とも書いています。
カテエネも同様に、マイコン式は価格が比較的手頃でシンプルな調理向き、IH式は加熱性能が高く火力調整が細かいと整理しています。
私の判断基準はこうです。上の試算の通り、W数差は稼働時間差で相殺されうる。だから短時間メニューを毎日回すならマイコン式、塊肉や煮込みなど加熱時間が長いメニューが主戦場ならIH式。
短いメニューではIHのパワーを活かす余地が少なく、W数差がそのままコスト差になりやすい。逆に長時間メニューでは稼働時間の短縮幅が大きくなるため、IH式の高W数が相殺されやすい、という理屈です。
電気圧力鍋の電気代を節約する方法は?効果が大きい順に
効果が大きいのは、加圧時間そのものを短くする工夫です。食材を小さく切る、下ごしらえで加熱を済ませておく、容量を使い方に合わせる。この3つが稼働時間に直結します。
食材の切り方と下ごしらえ
ヤマダデンキの情報サイトでは、食材を小さくカットすることで加圧時間を短縮でき、全体の調理時間が減って電気代の削減につながるとされています。同ページはさらに、野菜をレンジで軽く加熱してから電気圧力鍋に入れることで稼働時間を短縮できるとも紹介しています。
カテエネも、具材をあらかじめ下茹でしておく、冷蔵しておいたものは室温に戻してから調理を開始する、といった工夫を挙げています。
エバーグリーンの例では、パナソニックの電気圧力鍋でタン1本(1kg)を調理する場合の設定時間の目安は40〜50分、一方で牛肉の薄切りは3〜5分と、食材によって大きな差があります。
- 食材は小さくカットして加圧時間を短縮する
- 複数の食材をまとめて調理して回数を減らす
- 冷蔵庫から出した食材は室温に戻してから入れる
- 硬い塊肉を選ぶ日は、稼働時間が長くなる前提で組む
容量は「人数+1L」を守る
ドコモでんきは、電気圧力鍋の容量の目安は一般的に「人数+1L」といわれると紹介しています。1人暮らしなら2Lで十分だが、2人以上の家族では足りない可能性がある、という整理です。
カテエネも同様に、1人=2L、2人=3L、3人=4L、4人=5Lという目安を示しています。
ヤマダデンキの情報サイトは、過剰な容量の機器を使用すると必要以上の電力を消費してしまうと指摘しています。大は小を兼ねない、というのが電気圧力鍋の容量選びです。
ただし作り置きをする家庭は別で、カテエネは週末にまとめて作り冷凍保存するなら大きめの容量が便利としています。ここは自分の使い方次第です。
夏場のエアコン代まで含めて考える
見落とされがちですが、これは実額として効いてくる可能性があります。
エネチェンジは、電気圧力鍋での調理は火を使わないため部屋が暑くならず、ガスでの調理よりエアコンの使用頻度を減らせて電気代の節約につながると解説しています。ヤマダデンキの情報サイトも同じ点を挙げています。
出光興産のコラムによれば、夏場のエアコン設定温度を26度から28度に上げるだけで約5.4%の節電効果が期待できるとされています。キッチンの熱でリビングの設定温度を下げずに済むなら、鍋の電気代24.8円より大きい額が動く場面はありえます。
ただし効き方は住環境(キッチンとリビングの距離、換気の状況)で大きく変わるため、金額として当てにするのは避けたほうがいいと私は見ています。
料金プランの見直しは家全体の話
カテエネは、夜遅い時間に電気圧力鍋を使うことが多ければ深夜料金が安いプランに変更すると電気代を抑えられる可能性があるとしています。
ただしこれは電気圧力鍋の話ではなく、家全体の契約の話です。月700円前後の家電のためにプランを変える、という順番ではありません。
電気圧力鍋のデメリットは?買う前に必ず確認したい注意点
購入後に不満が出やすいのは、電気代ではなく「置き場所」「コンセント容量」「洗うパーツの多さ」の3つです。いずれも買う前に公式仕様と自宅の環境を突き合わせれば防げます。
置き場所は炊飯器1台分。これが一番の脱落理由
ドコモでんきは、電気圧力鍋は総じてサイズが大きめで、一般的な炊飯器ほどの大きさのため、キッチンの調理台やテーブルに出しておくとかなり存在感があると指摘しています。
さらに同記事は、棚の上などにしまい込むと出すのが面倒になって使用頻度が下がり、宝の持ち腐れになることもある、と書いています。エネチェンジもデメリットの筆頭に置き場所を挙げています。
私はこれが、電気代よりよほど重要だと考えています。買う前にメーカー公式の外形寸法を調べて、実際に置く場所にメジャーを当てる。 ここを飛ばした人が、半年後に押し入れに戻している、という声が目立ちました。
コンセントとブレーカーの問題
コツコツCDは、コンセントの数が限られているため、場合によっては電気圧力鍋を使用しながら炊飯器を稼働できないこともあると指摘しています。同記事はさらに、コンセントの配置によっては他の家電の使用状況を考慮しないとブレーカーが落ちる可能性があるとも書いています。
800〜1000Wの家電です。同じ回路に電子レンジや電気ケトルがある場合は注意が必要です。
手入れと洗いにくさ
カテエネは、手入れを怠ると内部のセンサーや加熱部分に汚れが蓄積し、故障や性能低下の原因になると解説しています。調理後は鍋内をしっかり洗浄し、パッキンや蒸気弁の汚れも丁寧に取り除く、蒸気口や圧力調整弁は目詰まりが起きやすいため定期的に掃除する、という内容です。
コツコツCDも、製品によっては金属たわしやナイロンたわしが使用できない、食器洗浄機に対応していないモデルは手洗いが必要、と挙げています。
洗うパーツが内鍋だけではない。ここは通常の鍋との一番の違いで、面倒くさがりの人ほど事前に確認したほうがいい部分です。
なお安全面では、多量の油やアルコール、乾燥した豆類など入れてはいけない食材が機種ごとに定められています(カテエネの解説より)。必ず自分の機種の取扱説明書に従ってください。

電気圧力鍋で後悔したのは電気代ではない|口コミに多い2つの理由
主要通販サイトのレビュー欄と価格比較サイトのクチコミを、複数機種ぶん通読した範囲では、後悔の理由は「予約が思った通りに使えない」「サイズを測らずに買って置けない」の2つに集中していました。電気代を後悔の理由に挙げる声は、私が読んだ範囲では見当たりませんでした。
「予約できない」と「置けない」に偏る
私が読んだのは、主要通販サイトの★1〜3のレビューと、価格比較サイトのクチコミ欄です。件数を厳密に数えたわけではないので、統計的な集計ではなく通読した印象として書きます。
後悔の中身は、大きく2つに割れます。
- 予約系:朝セットして帰りに完成、を想定して買ったのに、作りたいメニューが予約対象外だった/予約自体が非搭載だった
- 設置系:サイズを測らずに買って常設できず、棚にしまった結果ほぼ使っていない
どちらも、買う前にメーカー公式ページで確認できる情報です。電気代は買う前に散々調べるのに、予約対応メニュー一覧と外形寸法は見ずに買う。ここに、購入検討のねじれがあります。
「予約できると思っていた」が起きる理由
予約機能は、機種のカタログでは大きく打ち出されます。ところが実際の予約可否は、メニュー単位で決まります。
傷みやすい食材を使うメニュー、揚げ物・炒め物系、蒸し料理などは対象外になっていることがある。カタログの「予約調理対応」という一行と、メニュー一覧の実態にはズレがあるということです。
私が今、機種を見るときに必ず開くのは、スペック表ではなく公式の自動調理メニュー一覧です。作りたい料理名が予約可の欄にあるかどうか。ここを見れば、この後悔は起きません。
電気代は「後から気づく不満」になりにくい
理屈としても筋は通ります。月700円前後の変動は家全体の電気代のなかに埋もれ、検針票を見て「圧力鍋のせいで上がった」と特定できる金額ではないからです。
だからこそ、購入前に電気代を延々と調べるのは費用対効果が悪い。調べるべき順番は、置き場所→予約可否→手入れの手間→電気代です。私はこの順で見るようにしています。
今後、この電気代の目安はどう変わるか
いま各社が使っている31円/kWhという前提は固定値ではなく、単価が改定されれば記事の金額はそのまま古くなります。計算式は変わらないので、読者側で単価を置き換えられるようにしておくのが実用的です。
31円/kWhという前提は固定ではない
いま各社の試算が使っている31円/kWhは、公正取引協議会の目安単価(2024年10月時点)です。この目安単価は、燃料価格や制度の変化に応じて改定されてきた経緯があります。
つまり、記事に書かれた「1時間24.8円」は単価が改定されればそのまま古くなる数字です。単価が10%上がれば、24.8円は約27.3円になる。計算式そのものは変わらないので、読者側で置き換えられます。
私が電気代の記事を読むときに真っ先に探すのが「その記事が何円/kWhで計算しているか」なのは、これが理由です。単価の前提が書かれていない記事は、何年前の数字か判断できません。
ガスとの比較は、より一次情報依存になっていく
前述の通り、ガスの火力想定は業界で統一されていません。加えてガス単価は地域差・プロパンか都市ガスかで大きく開きます。
この構造は当面変わらないと見ています。だから「電気とガス、どっちが安い?」という問いに、記事側が一つの答えを出すのは無理があります。
出せるのは、自宅の検針票の電気単価とガス単価を使って自分で計算する手順まで。ここから先は読者の契約情報がないと確定しません。
消費電力量(Wh)の公表が進むと比較の精度が上がる
いま各社の試算はすべて「定格消費電力(W)×時間」の推定です。本来なら、1回あたりの消費電力量(Wh/kWh)が公表されていれば、そちらのほうが実態に近い。
加圧中と減圧中では消費が違うのに、W×時間の計算はその差を丸めているからです。私が確認した範囲では、電気圧力鍋でメニュー別の消費電力量を公開している機種はまだ限られています。
ここが揃ってくれば、1回あたりコストで機種を比べられるようになる。現時点では、W数と容量から推し量るしかない、というのが正直なところです。
まとめ:電気代で悩むより、稼働時間と置き場所で決める
電気圧力鍋の電気代は、主要機種の中心帯で1時間あたり約18.6〜24.8円、1000Wクラスを含めると上限約31円。毎日1時間使って月700円前後、一人暮らしの2Lクラスなら月約558円が目安です。
都市ガスの中火とほぼ互角で、プロパンガス家庭なら電気圧力鍋のほうが有利になりやすい。保温は仮定値ベースで1時間あたり数円以下と桁が違います。
そのうえで、選び方はこう整理できます。
- 光熱費を抑えたいなら:600〜700Wのマイコン式(Re・De Pot、siroca SP-2DM251、ティファール ラクラ・クッカー プラスなど)
- 煮込みの仕上がりを重視するなら:IH式。W数は上がるが、稼働時間が30分縮めば1回あたりコストはほぼ並ぶ
- 4人以上・作り置き前提なら:5L前後の大容量。アイリスオーヤマ PC-MA4のような満水4L以上のクラス
- 置き場所が確保できないなら:買わない、が正解の場合もある
私が一番言いたいのは、電気代の数円差より、加圧時間=稼働時間ではないという事実のほうが判断に効くということです。レシピの15分で計算していると、目安が丸ごとズレます。
なお電気圧力鍋を入れても、食材を買い、洗い、切る工程は残ります。そこがボトルネックなら、カット済み食材が届く食材宅配やミールキットを併用するほうが効く場面もあります。
この記事の出典(2026年8月27日確認)
- ドコモでんき:「電気圧力鍋の電気代は高い?ガス圧力鍋と光熱費を比較」(2024年4月17日公開)
- パナソニック:電気圧力鍋 NF-PC400 製品ページ
- アイリスオーヤマ:電気圧力鍋 PC-MA4 製品ページ
仕様・価格・電気料金の単価は改定で変わります。購入前には必ずリンク先の公式ページで最新の表記をご確認ください。電気代の目安は料金プランや契約単価によって前後します。
よくある質問
電気圧力鍋の保温は電気代がいくらかかりますか?
保温は加圧調理時の最大消費電力がずっと出続けるわけではなく、温度が下がったら温め直す断続的な動作です。保温時消費電力を仮に40Wと置くと、31円/kWh換算で1時間あたり約1.24円、8時間で約9.92円が目安になります。ただしこれは公表値ではなく仮定値です。保温時消費電力を公式に明記している機種は限られるため、取扱説明書や仕様表に記載があるかご確認ください。
電気圧力鍋とガス圧力鍋、結局どちらが安いですか?
都市ガスの中火(約20.16円/時)と電気圧力鍋の中心帯(約18.6〜24.8円/時)はほぼ同水準で、大きな差はありません。プロパンガス契約の場合は電気圧力鍋のほうが有利になりやすいとされています。ただし比較記事によって「中火」の火力想定が1.68kW〜2.25kWとバラつき、電気単価の前提も31円/kWhと約28.6円/kWhで割れているため、結論の金額より前提条件を確認してください。最新の単価はご契約の電力・ガス会社でご確認ください。
一人暮らしで電気圧力鍋を使うと電気代はどれくらいですか?
一人暮らし向けの2Lクラスは消費電力600Wが中心で、毎日1時間使った場合で1か月約558円(31円/kWh換算)が目安です。週3回程度の使用なら月200円台に収まる計算になります。金額面では導入をためらう水準ではありませんが、一人暮らしの場合は炊飯器1台分の設置スペースを常設で確保できるかのほうが、実際の使用頻度を左右します。
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