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電気圧力鍋の調理時間の目安|2品同時はどこまでできる?

電気圧力鍋の断面のイラスト。内なべの底にご飯、その上に重ねた容器ににんじん・ブロッコリー・角切りの肉が入り、湯気が立っている。右うしろの壁に掛け時計 電気圧力鍋
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電気圧力鍋の調理時間は、一般的な目安として「レシピの加圧時間+約20〜60分」で見積もるのが現実的です。ただし自動減圧を備えた機種ではこの幅より短くなることがあり、2026年に同時調理を新搭載したシロカの5Lモデルは、2品を最短16分で仕上げられるとメーカーが説明しています。

シロカは2026年5〜6月、自動調理鍋「おうちシェフクッカー」の5Lモデル「SP-MC5D171」「SP-MC5D151」を発売し、専用容器で2品を同時に加圧できる機能を加えました。(電気圧力鍋と電気調理鍋(自動調理鍋)の違いは別の記事で整理しています)

私自身、レシピの「加圧3分」を見て「帰宅してすぐ作れる」と読み違えかけたことがあります。この記事では、メーカー公式の仕様と公開レシピ、利用者の声を突き合わせて、時間の見積もり方と、今回確認できた範囲での同時調理の目安を整理します。

電気圧力鍋の調理時間はトータルで何分かかる?

結論:一般的な目安は「加圧時間+約20〜60分」

電気圧力鍋の調理時間は、「加圧までの時間」「加圧時間」「減圧(蒸らし)時間」の3つの合計です。

レシピや自動メニューにある「加圧◯分」は、このうち真ん中の工程だけを指していることがほとんどです。コンロの圧力鍋との時間の違いは電気圧力鍋と圧力鍋はどっちがいい?仕上がり・手間・調理時間で徹底比較で比べています。

暮らしの情報サイト「スムタノ」の記事では、圧力が上がるまでに約10〜20分、蒸らしに約10〜40分かかると整理されています。

この2つを足すと約20〜60分です。この記事では、以降の試算もこの目安をもとにします。

ただしこれは暮らしの情報サイトが整理した数字で、メーカーの公表値ではありません。予熱と減圧だけの時間を公表しているメーカーは、今回調べた範囲では見つかりませんでした(各社とも機種ごと・メニューごとの合計時間で案内しています)。そのため以降の試算は「おおよその幅」として読んでください。

ただし、加圧時間と完成までの合計が両方書かれている一次情報はあります。シロカ SP-MC5D171 の公式レシピ「【同時調理】白米&牛丼」は、加圧時間10分・時短モードで調理時間が約23分と書かれています(2026年10月1日確認)。差し引き約13分が加圧以外の工程です。同じシリーズの「【同時調理】高菜とベーコンのパスタ&白菜とツナのサラダ」は調理時間が約13分でした。

つまり自動減圧と時短モードを使える機種では、加圧以外が10分台に収まることがあります。「+20〜60分」はあくまで自然減圧を含む広い幅で、機種と設定で下側に大きく振れると読むのが実際に近いはずです。

3つの工程は、それぞれ何で長くなるのか

工程何をしている時間か長くなる条件目安の出どころ
加圧まで中身を温めて圧力を上げる量が多い・食材が冷たいスムタノ記事:約10〜20分
加圧圧力をかけて加熱レシピ・食材・圧力設定で決まるシロカ公式「おうちシェフ:圧力調理の設定時間の目安」(食材別)
減圧・蒸らし圧力が下がるのを待つ自然減圧・量が多いスムタノ記事:約10〜40分

幅が一番大きいのは減圧です。ここは後の章で、自動減圧の有無と合わせて掘り下げます。

スムタノの同じ記事には、「3分でできる肉じゃが」が加圧まで10分、加圧3分、蒸らし15分で計28分になるという計算例もありました。

取扱説明書で最初に探すべきは「その時間がどこからどこまでか」

見落とされがちなのが、表示されている時間がどこからどこまでを指すのか、です。

シロカの電気圧力鍋SP-5D151の取扱説明書では、圧力調理でスタートを押したときの表示について「設定した加圧時間に、加熱と減圧を含めた調理時間の目安が表示されます」と説明されています(シロカ「電気圧力鍋 SP-5D151 取扱説明書」・2026年10月9日確認)。本体に出るのは設定値そのものではなく、前後を足した合計の目安だということです。

オートメニューの総調理時間についても、同じ取扱説明書に「加熱と減圧を含めた調理時間の目安」であり、「食材や調理環境によって、加熱が終わった時点で調理時間が前後することがあります」と書かれています。メーカー自身が固定値ではないと言っているわけです。

同じ「10分」でも、設定した加圧の10分か、本体が出す合計の10分かで、食卓に出せる時刻は30分以上ずれます。私が取扱説明書を開いて最初に探すのは、メニュー数ではなくその時間に加熱と減圧が入っているかどうかの記述です。

短くなるのは「調理時間」より「拘束時間」

では時短にならないのかというと、そうでもありません。

合計時間のうち、人が鍋の前にいる必要があるのは下ごしらえと盛り付けだけで、加圧から減圧までは手を離せます。

この区別を先に持っておくと、買ったあとに「思ったより遅い」とがっかりしにくくなります。


シロカ「おうちシェフクッカー」新型で何が変わった?同時調理を搭載した2026年モデル

発売日と発表時の価格

シロカは2026年、電気圧力鍋のシリーズを「自動調理鍋 おうちシェフクッカー」として展開し、5Lモデル2機種に同時調理容器を付属させました。

マイナビニュースの2026年5月25日の記事によると、ラインナップと発表時の価格・発売日は、2.4LのSP-MC2D151が24,860円で5月28日、ダイヤル付き5LのSP-MC5D171が39,820円で6月18日、ダイヤルなし5LのSP-MC5D151が34,800円で5月28日です。

これは発表時点で報じられた価格です。販売価格は時期や販売店で変わるため、最新は公式オンラインストアや販売店で確認してください。

公式仕様で3機種を比較する(2026年9月、シロカ公式製品ページで確認)

項目SP-MC5D171SP-MC5D151SP-MC2D151
満水容量/調理容量5L/3.2L5L/3.2L2.4L/1.6L
同時調理ありありなし
消費電力1200W1200W700W
本体重量(約)5.5kg5.5kg3.8kg
サイズ(約)幅×奥行×高さ27.5×34.5×28.7cm27.5×34.4×28.7cm24×26×27cm
使用最高圧力100kPa(ゲージ圧)100kPa(ゲージ圧)100kPa(ゲージ圧)
オートメニュー数888888
最大予約設定時間15時間15時間15時間
表示部/ダイヤルフルドット液晶/あり白色LED/なし白色LED/なし

SP-MC5D171の調理容量は3.2L、オートメニュー数は88、最大予約設定時間は15時間です。SP-MC5D151も同じ数値で、違うのは表示部(SP-MC5D171だけフルドット液晶)と奥行0.1cmだけでした。

公式の仕様比較では、5Lの2機種のセット内容に同時調理容器が含まれ、2.4Lには含まれていません。同時調理は公式ページ上でも5Lサイズだけの新機能と明記されています。

刷新の背景は「タイパ」と「介護」

マイナビニュースの発表会レポートでは、新モデルはタイムパフォーマンス重視の生活と、高齢社会の介護負担軽減という2つの社会状況に応える機能を載せたと説明されています。電気圧力鍋の課題として調理時間の長さが挙げられ、その答えの一つが同時調理という位置づけです。

プレスリリースでは、内なべのコーティングを従来のフッ素樹脂からセラミックに変更したことも発表されています。

「電気圧力鍋」から「自動調理鍋」へ名乗りを変えた理由そのものは、確認した発表資料には書かれていませんでした。私は、圧力調理だけでなく蒸しや低温調理まで含めた「献立を任せる道具」として見てほしい、という意図だと読んでいます。

メーカーが示す同時調理の時間は「最短16分」

同じレポートでは、専用容器を使えば主食とおかずなど2品を最短16分で同時調理でき、100パターン以上のレシピ検証を経て容器形状と加熱プログラムを開発したとされています。例として、れんこんとさつまいものサラダと、ねぎとしらすのペペロンチーノの組み合わせが約16分で完成すると紹介されていました。

写真の説明では「白米&ポークカレー」の同時調理が26分想定とも書かれています。記者が発表会で試食した感想として、れんこんとさつまいもは蒸し器で調理したような柔らかさで、牛丼と白米、パスタも適度な柔らかさだったという記述もありました。

この「16分」「26分」は、前の章で引いたスムタノ記事の目安(加圧+20〜60分)より明らかに短い数字です。次の章で、そのズレがどこから来るのかを見ていきます。


電気圧力鍋を真上から見た図。内なべの底に白いご飯が敷かれ、その上に重ねた同時調理容器が4つに仕切られ、ブロッコリー・にんじんの輪切り・角切りの肉・だし巻き卵が入っている
※画像はAIによるイメージ

従来機SP-5D151と新型SP-MC5D171は何が違う?仕様表で見る進化と引き換え

同じ5L・同じ寸法で、中身を入れ替えた

シロカには、2022年に発表された5Lの電気圧力鍋「おうちシェフ PRO L」SP-5D151がありました。フルドット液晶とダイヤルを備えた上位機という立ち位置は、新型のSP-MC5D171と同じです。

両機の公式仕様を並べると、外形はほぼそのままで、中身の配分を変えたことが分かります(いずれもシロカ公式製品ページ、2026年9月確認)。

項目SP-5D151(おうちシェフ PRO L)SP-MC5D171(おうちシェフクッカー)
満水容量/調理容量5L/3.5L5L/3.2L
本体重量(約)5.8kg5.5kg
サイズ(約)幅×奥行×高さ27.5×34.5×28.7cm27.5×34.5×28.7cm
使用最高圧力100kPa(ゲージ圧)100kPa(ゲージ圧)
オートメニュー数10088
最大予約設定時間15時間15時間
同時調理容器セット内容に記載なし付属
蒸しかご付属糖質オフ炊飯は別売の蒸しかごが必要

仕様表から読める「引き換え」

仕様表を突き合わせて、私が一番気になったのは調理容量が3.5Lから3.2Lへ0.3L減っている点です。

同時調理機能と調理容量の関係について、公式の説明は見当たりませんでした。ただ、4〜6人分の作り置きを目的に5Lを選ぶ人にとっては、見逃せない差です。

オートメニューも100から88に減り、糖質オフ炊飯に使う蒸しかごが付属から別売の扱いになっています。代わりに、同時調理容器、低温調理アタッチメント、やわらか食レシピがセットに加わりました。

買い替え・中古購入で迷ったときの見方

最初は「新型=上位互換」と思われがちですが、今回の仕様表を見る限り、実際は機能の入れ替えに近いと感じました。

  • 平日に2品を一度に仕上げたいなら、同時調理容器が付くSP-MC5D171/SP-MC5D151
  • 1回の量を最大限入れたい、糖質オフ炊飯を使い続けたいなら、SP-5D151の仕様も比べる価値がある

SP-5D151はシロカ公式の現行ラインアップに載っていません(2026年10月9日に自動調理鍋のページを確認)。生産終了製品の一覧にも出てこず、取扱説明書だけが公開されている状態です。新品で探すなら在庫や保証条件を購入先で確かめてください。


比較表で挙げた新型の上位機です。残り時間と調理工程をフルドット液晶で追えるのはこの1台だけ。いまの取り扱いと価格はここから。

なぜ自動減圧つきの機種は「加圧+20〜60分」より短くなるのか?

合計時間を一番揺らすのは「減圧」

先ほどの一般的な目安で、幅が最大なのは減圧の約10〜40分でした。

圧力表示ピンが下がるまでにどれくらいかかるかは、電気圧力鍋のピンが上がらない時|ピンが下がるまでの時間の目安でも扱っています。

圧力が自然に下がるのを待つ機種では、ここが合計時間の中で最も長くなりがちです。つまり、減圧を機械が早められるかどうかで、同じレシピでも食卓に出せる時刻が大きく変わります。

シロカが「スマートプレッシャー技術」で詰めている部分

シロカのおうちシェフクッカーの製品ページでは、100kPaを一定にかけ続ける制御と自動減圧機能を組み合わせた「スマートプレッシャー技術」によって、高圧力になるほど長くなる減圧時間を短縮したと説明しています。

公式製品ページの解説では、同社の従来機SP-2DM251で肉じゃがを作ったとき、自動減圧を使った場合と使わない場合で時間差が出たとしています。ただし、食材や調理法によって短縮の比率は異なる、という注記つきです。

公式ページには、白米メニューの「時短モード」で自動減圧を行えば、白米3合を約22分で炊き上げられるとも書かれています。

「最短16分」と「加圧+20〜60分」をどう読み分けるか

「加圧+20〜60分」は、スムタノ記事が整理した機種を問わない目安で、自然減圧を含む幅です。一方の「最短16分」は、特定機種の同時調理メニューに対するメーカーの説明です。

どちらが正しいかではなく、前提が違う数字として扱うのが実用的だと考えています。発表記事の中では、16分がスタートから数えた時間なのか、予熱などを含むのかまでは確認できませんでした。

自動減圧のない機種を使っているなら一般的な目安で、シロカの新型を検討しているなら付属レシピブックの時間表示で、それぞれ見積もるのが外れにくいはずです。

同じ「加圧10分」でも、圧力設定が違えば別物

加圧時間を調べていると、機種の違いを無視した早見表に行き当たることがあります。

ただ、かけられる圧力は機種ごとに違い、圧力が低ければ同じ柔らかさにするのに必要な時間は長くなります。シロカの新型3機種は、圧力値を50〜100kPa(ゲージ圧)の範囲で5kPa刻みに設定できると公式の機能比較表にあります。

私も最初は、加圧時間の早見表を1枚持っておけば済むと思っていました。今は時間の数字より先に、「その時間は何kPa前提か」を確認するようにしています。


食材別の加圧時間の目安はどう決める?

メーカー自身が予熱を「10〜30分程度が目安」と書いている

ショップジャパンの電気圧力鍋「クッキングプロ ベーシック」の公式FAQには、圧力があがるまでの時間について「食材の量や内容によって異なりますが、10〜30分程度が目安です」と書かれています(ショップジャパン「クッキングプロ ベーシック(電気圧力鍋)よくあるご質問」・2026年10月9日確認)。同じ機種でも、中身次第で20分の幅が出るということです。

加圧時間そのものは、同じFAQによれば取扱説明書に食材別で載っています。内訳は肉11種類、魚介8種類、野菜10種類、豆・穀物3種類、卵2種類。メーカーが食材ごとに分けて示している以上、使う機種のレシピブックの数値を起点にするのが筋です。

公開レシピに出てくる加圧時間の幅

今回確認した公開レシピを並べると、加圧時間は料理によって7倍近い差があります。

薄切りや小さく切った魚介は短く、かたまり肉や骨ごと煮る魚は長くなる。傾向としてはシンプルです。シロカ公式の食材別の目安でも、いか・たこのぶつ切りは1〜3分、豚バラ肉のかたまり600gは20〜25分と、同じ鍋でも10倍前後の開きがあります。

時間を決める前に「入れてはいけないもの」を確認する

スムタノの記事では、膨らんだり圧力調整装置を詰まらせたりするおそれがあるものとして、豆類、パスタ、餅、ちくわ、牛タン、カレールー、重曹、大量の油や酒が挙げられています。

野川さんの無水チキンカレーでも、ルウは加圧が終わって圧力が抜けてから加える手順でした。

一方で、シロカの同時調理例にはペペロンチーノが含まれています。パスタを加圧できるかどうかは機種と専用レシピの設計次第なので、一般論より、その機種の取扱説明書とレシピブックを優先してください。


帰宅時刻から逆算すると、何時にスイッチを押せばいい?

加圧時間別の「スイッチから蓋が開くまで」の試算

平日に使うかどうかを決めるなら、合計時間を「何時に食べられるか」に置き換えるのが一番分かりやすいと感じています。

以下は実測ではなく、スムタノ記事の一般的な目安(加圧までと減圧で約20〜60分)をもとにした試算です。最下段だけは、シロカが発表した同時調理の最短時間を参考として並べました。

条件スイッチから蓋が開くまでの目安19時に食べたい場合のスタート目安
加圧3分のレシピ約23〜63分17時57分〜18時37分ごろ
加圧10分のレシピ約30〜70分17時50分〜18時30分ごろ
加圧20分のレシピ約40〜80分17時40分〜18時20分ごろ
加圧30分のレシピ約50〜90分17時30分〜18時10分ごろ
参考:シロカ新型の同時調理(メーカー発表の最短)最短16分18時44分ごろ

※盛り付けと下ごしらえの時間は含めていません。

幅の「長いほう」で計画すると外れにくい

この表を作ってみて、見方が変わりました。

加圧3分と10分の差は合計でたった7分ですが、加圧前後の幅は最大40分あります。食卓に出せる時刻を左右するのは、加圧時間より加圧前後の幅です。

平日の計画では幅の長いほうを前提に置き、早く終わったら保温で待たせるほうが外れにくい。短いほうで組むと、家族を待たせる日が出てきます。

帰宅後スタートが厳しいなら「予約」が本命

18時30分に帰宅して19時に食べたい条件だと、自然減圧の機種では幅の長いほうに間に合いません。

この場合は、朝や前夜に仕込んで予約で仕上げる使い方が本命です。シロカの「かしこい予約プログラム」は、最初に加熱したあと約75℃で保温し、設定時間から逆算して仕上げ調理に入る仕組みで、食材や調理法によって選択できないオートメニューがあると注記されています。

どのメニューが予約対象かは、購入前に取扱説明書で確認したいポイントです。

操作パネルのボタンを押しているところ。奥の壁に時計
※画像はAIによるイメージ

電気圧力鍋の同時調理とは?2品同時が成り立つ仕組み

同時調理=鍋の中を上下に分けて一度に加圧すること

電気圧力鍋の同時調理は、内鍋の下段で1品を煮たり炊いたりしながら、上に容器やホイルで包んだ別の料理を置いて、一度の加圧でまとめて仕上げる方法です。

圧力がかかった鍋の中は高温の蒸気で満たされるため、上段の料理は「蒸す」形で火が通ります。

加圧時間は「足し算」ではなく「1本化」

2品同時と聞くと「2品分の時間がかかる」と思われがちですが、実際は加圧時間も、加圧前後の時間も1回分にまとまります。

裏を返せば、2品の「ちょうどいい加圧時間」がかけ離れていると、どちらかが硬いか、柔らかくなりすぎます。同時調理が成り立つかどうかは、時間の相性でほぼ決まると私は見ています。

なお、中身の総量が増えるぶん、加圧までの時間は1品のときより長くなりやすい点は見込んでおく必要があります。

実現方法は大きく3つある

今回調べた範囲では、2品を一度に仕上げる方法は次の3つに分かれました。

  • 専用容器を付属させ、メーカーが組み合わせを検証済みにする方式(シロカ SP-MC5D171/SP-MC5D151)
  • 付属の蒸し台やアルミホイル、クッキングシートで利用者が工夫する方式
  • 左右2つの鍋で別々に調理する方式(ショップジャパンの自動調理鍋「ツインシェフ」、マイナビニュース2020年1月31日の記事で紹介)

マイナビニュースは、圧力をかけた状態での2品同時調理は同種商品の中でも珍しい機能だと評価しています。ホイル方式との最大の差は、時間の相性の見極めをメーカー側が引き受けている点にあります。

ホイルで工夫する場合は、内鍋にホイルや紙を入れてよいか、どこまで重ねてよいかを、必ず機種ごとの取扱説明書で確認してください。


2品同時は加圧何分までが目安?公開レシピで見る組み合わせ

加圧時間ごとに「成立していた組み合わせ」を並べる

ここからは、今回確認した公開レシピのうち、加圧時間と上下の中身が明記されているものだけを並べます。探した範囲は6媒体(シロカとショップジャパンの公式情報、ソフトバンクでんき、クックパッドニュース、スムタノ、マイナビニュース)。そのうち上下に分けた同時調理の事例が確認できたのは2媒体・2件だけでした。

なお下段1品に対して上段は複数置けるため、ここでは「2品同時」を上段が複数でも含む呼び方として使っています。

加圧時間下段(時間を決める側)上段(同時に仕上げる側)出典
加圧3分中華おこわ(もち米1合)えびチリ(ホイル包み)、蒸しなすクックパッドニュース 2022年12月1日・野川彩さん
圧力10分ホロホロ鶏大根タラのバター蒸し(ホイル)、ブロッコリー(ホイル)ソフトバンクでんき 2025年1月24日・嶋田あさ美さん

シロカの同時調理例は、発表された時間が加圧時間ではなく完成までの時間(最短16分、白米&ポークカレー26分想定)のため、この表には含めていません。

加圧3分前後:火が通りやすい食材だけでそろえる

加圧3分クラスで成立していたのは、もち米のおこわ、えび、なすの組み合わせでした。

えびやなすは長く加熱すると食感が崩れやすい一方、もち米は短い加圧でも仕上がる。短時間の同時調理は、全員が「火が通りやすい」側の食材でそろっていました。

加圧10分〜20分未満:根菜の煮物や炊き込みに、上段で蒸し物

加圧10分クラスでは、大根と鶏もも肉の煮物を下段に置き、魚と野菜を上段で蒸していました。同じレシピのポイント欄では、ブロッコリーはかなり柔らかくなるので優しくあえるように、と書かれています。

加圧20分以上:確認した範囲では例がなかった

おでん(圧力20分)のような長時間メニューは、今回の範囲では1品完結の形で紹介されていました。上下に分けた同時調理の例は見当たりませんでした。シロカ公式の食材別の目安でも、いわしを骨までやわらかくするなら20〜30分、豚バラ肉のかたまり600gなら20〜25分と、20分超はかたまり肉や骨まで煮る料理に集まっています。

これを「長時間は同時調理に向かない」という一般則として言い切るには、事例が少なすぎます。長い加圧に耐えられる上段の料理が限られるという構造的な理由はありそうですが、単に公開例が少ないだけの可能性も残ります。

シロカは同時調理を活用したレシピを公式サイトで順次公開する予定としています。長時間の組み合わせが出てくるかどうかは、私も追いかけたい点です。現時点で自分で試すなら、加圧3〜10分台の料理から始めるのが無難だと考えています。

カウンターの奥行きをメジャーで測っているところ
※画像はAIによるイメージ

同時調理で後悔しやすい点は?置き場所・洗い物・予約と向かない人

置き場所:5Lは「奥行」と「上方向」を先に測る

同時調理に対応したSP-MC5D171は、公式の寸法で幅27.5cm×奥行34.5cm×高さ28.7cm、重さ約5.5kgです。

2.4LのSP-MC2D151(幅24cm×奥行26cm×高さ27cm)と比べると、特に奥行が8.5cm長い。家電ラックで手前にはみ出すかどうかは、ここで決まります。

公式ページでは減圧時の蒸気の勢いを抑える「蒸気ふた」を備えるとされていますが、蒸気が出ること自体は変わりません。吊り戸棚の真下に置く計画なら、上方向の余裕も確認しておきたいところです。

レンタルサービスRentioの口コミ欄(SP-5D151)では、前世代の5Lモデルについて、蓋が重く、外したあとの置き場所に毎回悩むという2023年5月の投稿がありました。本体の横に蓋を置くスペースまで含めて測っておくと安心です。

洗い物:同時調理は「容器が1つ増える」

同時調理は鍋が1つで済むように見えますが、専用容器や蒸し台、ホイルの後始末がそのぶん増えます。

同じくRentioの口コミ欄(SP-2DP251)では、シロカの2.4Lモデルについて、調理時間の短さを考えれば許せるが、ふたなどの手入れが少し面倒に感じたという2022年12月の投稿がありました。スムタノの記事でも、パーツが多く手洗いが面倒に感じる人がいると指摘されています。

シロカ公式ページにはふたやパッキンが取り外せるとありますが、今回確認した製品ページでは、同時調理容器を含む食洗機対応の記載を見つけられませんでした。気になる人は取扱説明書で確認してから判断するのが安全です。

予約と使用頻度:「思ったより時間がかかる」という声もある

Rentioの口コミ欄には、SP-5D151について料理に時間がかかりすぎて頻繁に使えなかった、という2025年4月の投稿もありました。

この一件だけで傾向とは言えませんが、加圧時間の短さだけを見て買うと、同じ感想になりやすいと感じます。帰宅後スタートなのか、予約で仕上げるのかを先に決めておくことが、使い続けられるかの分かれ目です。

そして予約で仕上げたいなら、同時調理メニューが予約の対象になっているかは、確認した公式製品ページとプレスリリースには明記がありませんでした。購入前に取扱説明書やサポート窓口で確認したい一番のポイントです。

向いている人・向いていない人

  • 向いている人:平日の夕食で主食+主菜、主菜+副菜を一度に仕上げたい/加圧3〜10分台の料理が多い/奥行35cm前後の設置場所がある/家族で味付けや米の種類を作り分けたい
  • 向いていない人:一人暮らしで1回に作る量が少ない(シロカの新型では同時調理が5Lに限られる)/キッチンの奥行が浅い/加圧20分以上の煮込みが中心/週に数回しか鍋を使わない

同時調理で縮まるのは加圧から減圧までで、野菜を切る、下味をつけるといった下ごしらえは残ります。そこ自体が負担なら、カット済み食材が届く食材宅配やミールキットと役割を分けるという考え方もあります。


まとめ

電気圧力鍋の調理時間は、レシピの加圧時間だけでは判断できません。一般的な目安は加圧時間に約20〜60分を足した長さで、幅を生むのは主に減圧の工程です。

自動減圧を備えた機種ではこの幅より短くなることがあり、2026年発売のシロカ SP-MC5D171/SP-MC5D151は、専用容器による2品の同時調理を最短16分とメーカーが説明しています。

一方、今回確認した公開レシピでの2品同時は加圧3分と10分の2例に限られ、加圧20分以上の同時調理例は見つかりませんでした。事例が少ないため、一般則ではなく「現時点の目安」として受け取ってください。

自分の状況に合わせた判断材料は、次の通りです。

  • 手持ちの鍋で試したいなら、加圧3〜10分台の料理から、上段は柔らかめでも困らない食材で組む
  • 組み合わせを考える手間を省きたいなら、専用容器が付属するSP-MC5D171/SP-MC5D151を候補にする
  • 残り時間と工程を画面で確認したいなら、フルドット液晶のSP-MC5D171を比べる
  • 1回に入れる量を優先したいなら、調理容量3.5Lの従来機SP-5D151と3.2Lの新型の差を確認する
  • 置き場所が限られるなら、奥行約34.5cmと蓋の置き場まで先に測る
  • 平日の帰宅後に間に合わせたいなら、使いたいメニューが予約対象かを取扱説明書で確認する

どれが正解かは、普段作る料理の加圧時間と、キッチンの広さと、平日の帰宅時刻で変わります。ご自身の状況に一番近い行から、判断を始めてみてください。


2品同時の同時調理を最短16分としているシロカの現行機です。いまの取り扱いと価格はここから。

よくある質問

シロカ新型の同時調理は、予約調理と組み合わせられますか?

確認したシロカ公式製品ページとプレスリリースには、同時調理メニューを予約で使えるかどうかの明記がありませんでした。予約プログラムについては「食材や調理法によって選択できないオートメニューがある」と注記されているため、取扱説明書かサポート窓口で確認してから購入を判断するのが確実です。

2.4LのSP-MC2D151でも、同時調理容器は使えますか?

公式の機能比較表でSP-MC2D151の同時調理は「×」で、セット内容にも同時調理容器は含まれていません。5L用の容器を2.4Lで使えるかどうかの記載は見当たらないため、使えない前提で選ぶのが安全です。

レシピにある「加圧◯分」は、スタートからの時間ですか?

今回確認したレシピでは、圧力がかかってからの時間として書かれているものが中心でした。ただしシロカSP-5D151の取扱説明書のように、設定するのは加圧時間でも、本体に表示されるのは加熱と減圧を含めた合計の目安という機種もあります。使う機種の取扱説明書で、その時間がどこからどこまでを指すのかを確かめてください。

同時調理機能がない電気圧力鍋でも、2品作れますか?

アルミホイルやクッキングシートで上段を包み、2〜3品を同時に仕上げる公開レシピは複数あります。ただし内鍋にホイルや紙を入れてよいか、どこまで重ねてよいかは機種ごとの取扱説明書に従ってください。

参照した公式ページ・公的資料

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この記事を書いた人
橘亮介

買ってから後悔する人を減らしたい。それだけのために、このサイトをやっています。

調理家電は、カタログの数字を見比べても決まりません。効いてくるのは容量・置き場所・洗うパーツの数といった地味なところで、たいてい買った後に気づきます。だから公式の仕様を突き合わせて、先に分かる形にしています。

共働きの家事分担をきっかけに、調理家電の仕様を調べ尽くすようになった橘です。数値はメーカー公式の表記を確かめてから書きます。確かめられない数字は書きません。向かない方のことも、はっきりお伝えします。

記事の中で「ここ違うのでは」と思われたら、ぜひ教えてください。

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