PR

電気圧力鍋は爆発しない?爆発事故の例と危険を避ける使い方

木のテーブルに電気圧力鍋のふたを外して置き、パッキンのリング・おもり・圧力表示ピンなどの部品を並べたところ 電気圧力鍋
本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれています。

電気圧力鍋は「絶対に爆発しない」とは言えず、消費者庁の集計では圧力鍋の事故情報231件中153件が中身の噴き出す事故でした。原因として挙がるのは、パッキンの劣化や外れ、蒸気口の詰まり、内鍋の変形といった、使う人が目で確かめられる部分です。

報告される「爆発」の多くは、本体が砕けるのではありません。ふたの隙間や蒸気口から、高温の煮汁や蒸気が噴き出すタイプです。

私も仕様を比べ始めた頃は、安全装置の数が多い機種ほど安心だと考え、その数を比較の軸にしかけていました。事故の記録を読んでいくと、けがの場面は「部品の小さな変化」と「ふたを開ける瞬間」に集中していて、見るべき場所がまるで違ったのです。

今すぐ手元の鍋を点検したい人は、「爆発事故を防ぐ電気圧力鍋の使い方」の章から読んでください。

電気圧力鍋は爆発する?結論と「爆発」の正体

結論:日常的に使える家電だが、点検を省くと噴出事故は起こりうる

電気圧力鍋は、取扱説明書どおりに組み立てて使えば、平日の煮込み料理を任せられる調理家電です。一方で、部品の状態や使い方によっては、中身が噴き出す事故が実際に報告されています。

この記事で取り上げる国内の事例で原因とされているのは、洗ったあとに伸びたパッキン、落として凹んだ内鍋、そして減圧が終わる前後の開封です。どれも「機械が勝手に壊れた」話ではなく、使う側が気づける変化から始まっています。

報告される「爆発」の多くは噴出事故

ニュースやブログで「爆発」と表現される場面を読み比べると、ふたと本体の間から煮汁が噴き出す、ふたが勢いよく持ち上がる、というケースが中心です。

消費者庁の資料でも、事故内容は「蓋が外れ内容物が噴き出る」「鍋と蓋の隙間などから蒸気や内容物が噴き出す」といった形で分類されています。大きな音がすれば爆発と感じるのは当然ですが、対策を考えるなら「どこから圧力が抜けたか」で分けたほうが、点検すべき場所がはっきりします。

「電気だから安全」と思われがちだが、中の状態は同じ

電気圧力鍋は火を使わず、ボタンを押せばその場を離れられます。この手軽さから、ガス火の圧力鍋より安全だと受け止められがちです。

しかし圧力鍋は、本体とふたを密閉して内部に圧力をかけ、100℃以上で調理する器具です。電気式でもガス火式でも、「高温の液体を密閉している」という点は変わりません。

むしろ電気式は放っておける分、異変の瞬間にそばにいないことが増えます。私が見方を変えたのは、この「離れられる便利さ」と「異変に気づきにくさ」が表裏一体だと気づいたときでした。


電気圧力鍋の爆発事故はどんな例がある?国内で報告された3つのケース

ケース1:洗ったパッキンが伸び、正しくはまっていなかった

俳優の安孫子宏輔さんは、2024年2月20日に自身のブログで、電気圧力鍋での調理中に噴出が起きたことを明かしています。手羽元と大根を煮込んでいたところ破裂音がして、鍋とふたの間から煮汁が飛び出し、お腹のあたりにかかったそうです。

最初はふたの閉め忘れを疑い、閉まっていることを確かめて再加熱したものの、再び同じことが起きたといいます。後から分かった原因は、洗った際にゴムパッキンが伸び、しっかりはまっていなかったことでした。

この事例で注目したいのは、「きちんと洗った」ことが結果的に原因につながっている点です。清潔にしようとした行動が裏目に出るケースがある、というのは仕様表だけでは見えてこない落とし穴です。

ケース2:落として凹んだ内鍋を使い続けていた

2026年1月19日、「さえ」さんという方が自身のブログで、電気圧力鍋でビーフシチューを煮込んでいる最中にふたが飛び、中身が噴き出したことを振り返っています。けがはなかったものの、片付けに1時間以上かかったそうです。

本人が後から心当たりとして挙げたのは、以前に落として少し凹ませた内鍋(ブログでは「内窯」)でした。見た目には問題なさそうだったため、そのまま使い続けていたという経緯です。

ただし、これは本人の推測で、メーカーの調査で原因が確定したものではありません。とろみの強いシチューだったことも含め、複数の要因が重なった可能性は残ります。

ケース3:ふたを開けたときの蒸気で両腕にやけど

消費者庁の事故情報データバンクには、2026年6月発生・6月25日登録の電気圧力鍋の事故情報が掲載されています。住宅で電気圧力鍋を使っていた20歳代の方が、ふたを開けたときに出た蒸気で両腕にやけどを負ったという内容です。

傷病の程度は治療1週間未満と記録されています。噴出ではなく「開けた瞬間」の事故で、ここに電気圧力鍋ならではの見落としやすさがあると私は見ています。

3つのケースを並べると見えること

ケース公開・登録起きたこと本人・記録が示す原因
安孫子宏輔さん(ブログ)2024年2月20日公開手羽元と大根の煮込み中に鍋とふたの間から噴出(2度)洗浄時に伸びたゴムパッキン
さえさん(ブログ)2026年1月19日公開ビーフシチュー調理中にふたが飛び噴出落として凹んだ内鍋(本人の推測)
事故情報データバンク2026年6月25日登録ふたを開けたときの蒸気で両腕にやけど記載内容からは開封時の蒸気

3件とも電気圧力鍋での出来事で、起点は「パッキン」「内鍋」「開封」に分かれています。どれも取扱説明書の点検項目や注意事項に含まれている部分です。

なお、蒸気口の詰まりは電気式に限らず圧力鍋全般で繰り返し指摘されている原因です。消費者庁の資料本体(PDF)のp5「主な事故事例」には、豆スープを調理中に急に鍋蓋が外れ、中のスープが飛び散って足に軽いやけどを負った事例(平成27年7月発生・30歳代女性)が載っており、メーカーの調査では蒸気抜きに豆の穀ガラの付着があったと書かれています(2026年10月1日確認)。


ふたの裏側にある安全弁とパッキンの位置を手で確かめているところ
※画像はAIによるイメージ

電気圧力鍋の事故は何件?消費者庁231件データで見る実態

231件のうち153件が「噴き出る」事故、1か月以上の治療が最多

消費者庁は2021年(令和3年)4月28日、「圧力鍋を安全に正しく使用しましょう!―入れ過ぎに注意、蓋の洗浄が重要です―」を公表しました。事故情報データバンクに令和3年3月までに寄せられた圧力鍋関連の事故情報は231件です。

事故内容で分けると、蓋が外れて内容物が噴き出るなどの事故が153件、調理中の部品脱落や移動時にこぼすなどのその他の事故が78件でした。割合にすると、およそ3件に2件が「噴き出る」側に入ります。

傷病内容が分かっている87件では、熱傷が最も多くなっています。噴き出た中身に驚いて転倒し、骨折した事故も記録されています。

傷病の程度が判明している73件では、治療期間1か月以上が21件で最多です。資料は、噴き出る事故は他の事故内容より症状が重くなる傾向にあるとも書いています。

電気圧力鍋に絞ると22件:グラフの数値を足し上げて確認

231件は、ガス・IHで使う圧力鍋と電気圧力鍋を合わせた数字です。電気圧力鍋だけの件数は本文に書かれていないため、資料の「受付年度別事故件数」のグラフに記された数値を、分類ごとに足し上げました。

電気圧力鍋に分類された件数は合計22件、それ以外の圧力鍋は合計209件で、足すと231件になり総数と一致します。令和3年3月までの時点では、事故情報の大半はガス火などの圧力鍋側でした。

件数が少ない=安全、とは読めない理由

同じ資料には、SGマークが貼られた台数のグラフも載っています。平成31年/令和元年度には電気圧力鍋が918千台で、圧力鍋の635千台をすでに上回り、令和2年度は電気圧力鍋947千台、圧力鍋500千台でした。

資料本文でも、一般財団法人製品安全協会によると令和元年の冬頃から電気圧力鍋の流通台数が増加傾向にあるとされています。つまり22件という数字は、電気式が本格的に広がった直後に締められた集計です。

私はこの2つのグラフを並べたとき、「電気式は事故が少ない」という最初の印象を捨てました。使われる台数が増えた後の事故情報は、この集計にはまだ十分に入っていない、と読むほうが実態に近いはずです。

データを読むときの注意

事故情報データバンクには、事実関係や因果関係が確認されていない事例も含まれると、資料の注記に明記されています。一件一件が製品の欠陥と確定したものではありません。

この資料は「どの製品が危ないか」を決めるためではなく、「どんな場面でけがが起きているか」を読むために使うのが正しい使い方です。


電気圧力鍋が爆発する原因は?噴き出す仕組みと3つの要所

密閉して圧力をかけるから、崩れた瞬間に中身が出ようとする

圧力鍋は、ふたで鍋を密閉し、蒸気の逃げ場を絞ることで内部の圧力を上げます。圧力が上がると水の沸点が上がり、通常の鍋より高い温度で煮込めます。

短時間で肉がやわらかくなるのはこの仕組みのおかげです。裏を返せば、密閉が想定外の場所で崩れたとき、高温の中身はその隙間から一気に出ようとします。

原因が集まる3つの要所:パッキン・蒸気口・内鍋

消費者庁の資料と国内の事例を突き合わせると、原因として挙がる場所は次の3つに集まります。

  • パッキン:ふたと本体の隙間を塞ぐ部品です。消費者庁の資料では、ぬめりや劣化があると蓋と本体の隙間から内容物が噴出するおそれがあるとされています
  • 蒸気口・圧力調整部分:余分な圧力を逃がす通り道です。資料では、ここが詰まると圧力調整などの安全装置が正常に作動せず、蓋や内容物が吹き飛ぶ危険性があると説明されています
  • 内鍋:パナソニックの公式FAQ「電気圧力鍋で焦げるときは」では、なべ底が変形している場合はうまく調理できないため、新しいなべを購入するよう案内しています

パッキンが「隙間」、蒸気口が「出口」、内鍋が「器」だと考えると整理しやすくなります。隙間が甘ければ横から漏れ、出口が塞がれば圧力の逃げ場がなくなり、器が歪めばふたとの合わせ目が狂う、という関係です。

入れすぎと食材は「出口を塞ぐかどうか」で考える

何をどこまで入れてよいかは電気圧力鍋の容量目安早見表でも整理しています。

消費者庁は、水と食材を合わせて2/3以下、豆類・麺類は水と合わせて1/3以下の内容量で調理するよう呼びかけています。豆類は皮が圧力調整部分に詰まる可能性があり、資料には豆スープの調理中に蓋が外れ、メーカーの調査で蒸気抜きに豆のガラの付着があった事例が載っています。

カレーやシチューのルーのように粘りの強いものも、圧力調整部分に入り込む可能性があるとされています。資料では、具材を先に加圧してやわらかくし、最後にルーを入れて圧力をかけずに仕上げる方法が案内されています。

どの食材がどこまで使えるかは、機種ごとの取扱説明書で扱いが異なります。食材ごとの細かい可否は別のテーマとして扱い、ここでは「泡立つ・粘る・膨らむものは出口を塞ぎやすい」という一点だけ押さえておけば、噴出の予防には十分役立ちます。

安全装置があっても事故がゼロにならない理由

電気圧力鍋は、圧力がかかっている間はふたが開きにくい構造など、複数の安全対策を組み込んで設計されています。具体的な装置の種類や数は機種ごとに違うため、手元の取扱説明書で確認してください。

消費者庁の資料も、圧力がかかっている状態では蓋が容易に開かないようになっているが、無理に開けようとすると蓋が飛んだり内容物が噴出したりする危険性がある、と書いています。安全装置は「出口が詰まっておらず、部品が正しく組まれている」ことを前提に働くもの、と受け止めるのが現実的です。

私が比較の軸を「安全装置の数」から「点検のしやすさ」に移したのは、この前提に気づいたからです。装置がいくつあっても、その前提を崩す汚れや変形は、使う人にしか見つけられません。

本体に内なべを入れ、ふたのおもりを載せているところ
※画像はAIによるイメージ

爆発事故を防ぐ電気圧力鍋の使い方|使う前・調理中・使った後・開けるとき

使う前:原因に挙がった点を確認するチェックリスト

消費者庁は、使用前に蒸気口など圧力調整部分の詰まりと、ふたと本体の間のパッキンのぬめりや劣化を確認するよう呼びかけています。蓋がしっかり閉まっているかも確認項目に挙げています。

国内の事例で原因とされた点も加えると、確認項目は次のとおりです。

  • 蒸気口・圧力調整部分に、前回の食材かすや粘りが残っていないか
  • パッキンが伸びていないか、ねじれず溝に一周きちんとはまっているか
  • 内鍋の底や縁に凹み・変形がないか
  • ふたの部品(おもり、ノズルキャップなど機種ごとの部品)が外れていないか
  • 内容量が2/3以下、豆類・麺類は1/3以下に収まっているか

私がこのリストを作るときに一番迷ったのは、「パッキンを確認した」の中身です。表から見えるゴムがきれいでも、溝の奥で浮いていれば意味がありません。確認は「汚れ」と「はまり具合」を別の項目として見るのがコツです。

調理中:いつもと違う蒸気の出方は止めるサイン

パナソニックの公式FAQ「電気圧力鍋で焦げるときは」は、確認する点として「部品は正しく取り付けられていますか?」を挙げています(2026年10月1日確認)。想定外の場所から蒸気が漏れている、いつまでも加圧に入らない、といった様子は、組み立てに問題があるサインかもしれません。

そうした異変に気づいたら、使い続けずに取扱説明書の手順で運転を止めることを検討してください。安孫子さんの事例では、閉め忘れを疑って再加熱した結果、2度目の噴出が起きています。

調理中は鍋の周囲に物を置かず、ふたの近くに顔や体を寄せすぎないことも基本です。「様子を見に近づいた瞬間」が一番危ないという点は、覚えておいて損はありません。

使った後:汚れは落とす、でもパッキンは引っ張らない

消費者庁は、使用後にパッキンも取り外し、ぬめりが取れるまで洗うよう呼びかけています。圧力調整部分に異物が詰まっている場合は、針状の物で取り除くよう案内しています。

一方、パナソニックの公式FAQ「電気圧力鍋のお手入れ」では、パッキンを無理に引っ張ったり、先のとがったもので突いたりしないよう注意しています。パッキンが傷むと調理物が噴き出すおそれがある、という理由です。

ここは最初に読んだとき、矛盾しているように感じた部分でした。けれど整理すると、針のような細い道具を使ってよいのは蒸気の通り道で、パッキンには使わないという使い分けです。

  • パッキンは強く引っ張らずに外し、取扱説明書の方法で洗う
  • 洗った後は溝に沿ってはめ直し、浮きやねじれがないか一周確かめる
  • 蒸気口やノズルは機種ごとの案内に従い、詰まりを取り除く
  • 部品が冷めてから、電源プラグを抜いた状態でお手入れする(パナソニックの同FAQの案内)

ふたを開けるとき:減圧完了を確かめ、蒸気が顔や腕にかからない位置で

減圧にかかる時間の目安は電気圧力鍋のピンが上がらない時|ピンが下がるまでの時間の目安で6社を並べました。

消費者庁は、鍋の中の圧力が完全に下がったことを確認してからふたを開けるよう呼びかけています。強制的に圧力を下げる場合は高温の蒸気などで事故が起きやすくなるため、必ず取扱説明書に従うよう書いています。

ケース3は、まさにこの開封時の事故でした。減圧を知らせる表示やピンの仕組み、ふたの開け方は機種ごとに違うため、自分の機種の「開けてよいサイン」を先に取扱説明書で確かめてください。

開けるときは、ふたを自分の体と反対側へ向けて持ち上げる、顔を真上に置かない、腕を鍋の上に長く伸ばさない、の3点を意識すると、蒸気を浴びにくくなります。いずれも機種の手順を優先したうえでの心がけです。


パッキンや内鍋はいつ交換する?劣化のサインと部品の確かめ方

内鍋の変形は「新しいなべを」がメーカーの案内

パナソニックの公式FAQでは、なべ底が変形している場合はうまく調理ができないとして、新しいなべを購入するよう案内しています。

ケース2のように「少しの凹みなら大丈夫だろう」と思うのは自然な感覚です。ただ、メーカーが変形した鍋での使用継続を勧めていない以上、落として凹んだ内鍋は交換を検討するのが無難です。

パッキンは「亀裂があればその都度、少なくとも1年を目安」

においの取り方と交換の単位は電気圧力鍋の臭い取り|パッキンとゴムパッキンの手入れと交換にまとめています。

消費者庁の資料では、パッキンに亀裂などの劣化がある場合はその都度、使用頻度が低くても1年を目安に、機種ごとの純正品と交換するよう呼びかけています。

使う回数が少ないから長持ちする、とは限らないのがゴム部品の厄介なところです。伸びて溝にはまりにくくなった、洗っても汚れやにおいが残る、といった変化があれば、1年を待たずに交換を考えてよいタイミングです。

取扱説明書の部品図は「点検箇所の地図」になる

パナソニックの公式FAQ「電気圧力鍋のお手入れ」では、NF-PC400とSR-MP300でお手入れする部品が分けて案内されています(2026年9月に確認)。SR-MP300の付属品には、おもりや露受けが含まれています。

同じページには、圧力表示ピンは取り外さず、動きが悪いときはふたごとお湯につける、ノズルキャップは外して穴と側面のスリットの詰まりを取り除く、といった部品ごとの注意も並んでいます。どの部品が付いているかは機種によって異なります。

同じメーカーの電気圧力鍋でも、見るべき部品の顔ぶれが違うわけです。「パッキンと蒸気口を見た」と思っていても、自分の機種にある別の部品を見落としている可能性があるというのが、ここを調べて一番ひやりとした点でした。

取扱説明書の部品図は、交換部品を注文するときだけの資料ではありません。点検のたびに「この図にある部品を全部見たか」を照らし合わせる地図として使えます。

表示とリコール情報も確認しておく

消費者庁の資料によると、家庭用の圧力なべは国の安全基準に適合したことを示すPSCマークがなければ国内で販売できません。電気圧力鍋は、それに加えて電気用品安全法のPSEマークの表示も必要です。

同じ資料は、購入時にマークの有無やリコール対象製品になっていないかを確認するよう勧めています(型番での検索はNITEのリコール情報からもできます)。資料の事例には、ふたを固定する部品の寸法・形状不良によるリコール品で、調理中にふたが飛んだ事故も載っています。

手元の機種が気になる場合は、消費者庁の「リコール情報サイト」やメーカーの告知ページで型番を検索できます。中古で譲り受けた機種ほど、この確認は省かないでください。

開いた取扱説明書の部品図のページと、テーブルに並べた電気圧力鍋のふた・パッキンのリング・おもり・圧力表示ピン
※画像はAIによるイメージ

電気圧力鍋の事故は増えている?2021年の資料と2026年の記録を比較

「開ける瞬間」の事故は、少なくとも2019年の事例から見られる

消費者庁の2021年の資料に載っている事例1は、平成31年4月発生の「調理後、蓋を開けようとしたところ蓋が飛び、蒸気等が腕にかかり熱傷を負った」というものです。資料の事例5にも、カレーを作っていて蓋を開けたところ中身が飛び出し、熱傷を負った例があります。

そして2026年6月発生の電気圧力鍋の登録も、「ふたを開けたときの蒸気で両腕にやけど」でした。比べられるのは限られた事例ですが、けがの場面と部位はよく似ています。

少なくとも2019年の事例から、開封時のけがという同じ場面が繰り返し記録されている、とは言えます。開ける瞬間は、新しく生まれた危険ではなく、ずっと注意が必要だった場面です。

変わったのは「使われている鍋の構成」

変化があるのは、事故の場面よりも使われている製品の構成です。前述のとおり、SGマーク貼付台数では平成31年/令和元年度の時点で電気圧力鍋が圧力鍋を上回り、事故情報に占める電気式は令和3年3月時点で22件でした。

電気式に移ったあとの状況は、2021年の集計には十分反映されていません。2026年にも電気圧力鍋の開封時のやけどが登録されていることを踏まえると、電気式の事故情報は今後も寄せられると考えて備えるのが現実的です。

最新の件数を確かめたい人は、消費者庁の事故情報データバンクやNITEの事故情報検索で「電気圧力鍋」と入力して調べられます。いずれも因果関係が未確認の情報を含むため、件数そのものより事故の場面を読むことをおすすめします。

電気式は「開けるタイミングを機械任せにしやすい」

電気式は加圧から減圧まで自動で進むぶん、ガス火のように手で圧力を抜く場面が少なくなります。調理終了の音が鳴ると、つい「もう開けてよい」と受け取りがちです。

けれど調理終了と減圧完了は、機種によっては同じタイミングではありません。この区別を取扱説明書で一度確かめておくことが、電気式で開封時の事故を避ける一番の近道だと私は考えています。


電気圧力鍋の爆発が心配な人はどう判断する?向いている人・向いていない人

向いている人:点検を「習慣」にできる人

電気圧力鍋の安全性は、使うたびの点検とお手入れに支えられています。調理後にパッキンを外して洗い、次に使う前にはまり具合を確かめる、という流れを苦にしない人なら、事故のリスクを抑えながら時短の恩恵を受けられます。

平日に煮込み料理を任せたい共働き世帯でも、「点検は30秒の儀式」と割り切れる人には向いています。

向いていない人:お手入れを後回しにしがちな人

洗うパーツの少なさで選ぶなら洗いやすい電気圧力鍋はこれが参考になります。

一方で、使った鍋をそのまま翌日まで置いてしまう、パッキンを外すのが面倒で洗わない、という使い方になりそうな人は注意が必要です。前回の汚れが次回の詰まりにつながる構造なので、手入れを飛ばしやすい人ほどリスクが積み上がります。

キッチンが狭く、鍋の周囲に物を置かざるを得ない環境も、噴出したときの被害を広げやすくなります。調理中に鍋の近くを人が頻繁に通る間取りも、置き場所から見直したいところです。

すでに怖さを感じている人:やめる前に段階を踏む

さえさんは事故の後、しばらく電気圧力鍋を使わずに煮込み料理をガスで作っていたそうです。それでも便利さが忘れられず、改めて購入を検討していると書いています。

怖さを感じたときは、いきなり使うのをやめる前に、パッキンや内鍋を純正の新品にする、点検項目を紙に書いて鍋の近くに置く、圧力をかけないメニューから再開する、といった段階を踏む方法があります。それでも不安が残るなら、手元の機種のメーカー窓口に部品の状態を相談するのが確実です。

迷ったときに私が基準にしていること

電気圧力鍋の安全面を判断するとき、私が見るのは次の3点だけです。

  • パッキンと内鍋を、公式に単品で入手できるか
  • 減圧完了をどう確かめるかが、取扱説明書で分かりやすく説明されているか
  • 部品図を見て、自分が毎回点検できる部品の数に収まっているか

容量やメニュー数は、この3点を満たしたうえで比べる項目です。安全装置の数を並べるより、「自分が毎回確かめられるか」で判断したほうが、購入後の使い方に直結します。


まとめ|電気圧力鍋の爆発事故は、原因の多くを点検で減らせる

電気圧力鍋は「絶対に爆発しない家電」ではありません。消費者庁の資料では圧力鍋関連の事故情報231件のうち153件が噴き出る事故で、国内の電気圧力鍋の事例も、パッキン・内鍋・開封という限られた場面から起きていました。

自分の状況に合わせて、判断材料を次のように使い分けてください。

  • 今の電気圧力鍋を使い続けたい人:使う前にパッキンのはまり具合、蒸気口の詰まり、内鍋の凹みを確かめ、2/3以下(豆類・麺類は1/3以下)を守る
  • 内鍋を落とした・パッキンが伸びた人:メーカーの案内に沿って交換を検討する。パッキンは劣化があればその都度、少なくとも1年を目安に純正品へ
  • 開けるときが不安な人:取扱説明書で「減圧完了のサイン」を確かめ、蒸気が顔や腕にかからない位置で開ける
  • これから買う人:容量や機能より先に、部品の入手性と減圧の確かめやすさを取扱説明書と部品ページで比べる

点検の時間が取れないほど慌ただしい日は、無理に圧力調理をせず、加熱時間の短い献立に切り替える判断もあってよいはずです。どの選択でも、最終的な根拠は手元の機種の取扱説明書とメーカー公式情報になります。

事例を怖い話で終わらせず、次に鍋を使う前の点検を一つ増やすきっかけにしてもらえたらと思います。


よくある質問

電気圧力鍋の蒸気口やノズルが詰まったらどうすればいい?

消費者庁の資料では、圧力調整部分に異物が詰まっている場合は針状の物で取り除くよう案内しています。ただし外し方や掃除できる部品は機種ごとに違うため、取扱説明書の手順に従ってください。パッキンは先のとがったもので突かないよう、パナソニックの公式FAQでも注意されています。

ふたが開かないとき、力を入れて開けてもいい?

無理に開けるのは避けてください。消費者庁の資料では、圧力がかかった状態で無理に開けようとすると、蓋が飛んだり内容物が噴出したりする危険性があるとされています。減圧が終わるのを待つか、取扱説明書に書かれた方法で対処してください。

内鍋を落として少し凹んだ場合、使い続けても大丈夫?

パナソニックの公式FAQでは、なべ底が変形している場合はうまく調理できないため、新しいなべを購入するよう案内しています。凹みの程度を自己判断せず、お使いの機種のメーカーに相談するか、内鍋の交換を検討してください。

参照した公式ページ・公的資料

この記事を書いた人
橘亮介

買ってから後悔する人を減らしたい。それだけのために、このサイトをやっています。

調理家電は、カタログの数字を見比べても決まりません。効いてくるのは容量・置き場所・洗うパーツの数といった地味なところで、たいてい買った後に気づきます。だから公式の仕様を突き合わせて、先に分かる形にしています。

共働きの家事分担をきっかけに、調理家電の仕様を調べ尽くすようになった橘です。数値はメーカー公式の表記を確かめてから書きます。確かめられない数字は書きません。向かない方のことも、はっきりお伝えします。

記事の中で「ここ違うのでは」と思われたら、ぜひ教えてください。

橘亮介をフォローする
電気圧力鍋
橘亮介をフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました