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電気圧力鍋は何ができる?作れるものと炊飯器代わりの使い道

調理台に置いた電気圧力鍋の手前で、料理の写真が並んだレシピ本に付箋を貼っている手元 電気圧力鍋
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電気圧力鍋でできることは、煮込み・ゆで物・蒸し物・炊飯・スープ・スイーツ・低温調理までと幅広いです。炊飯器代わりに使えるかは「何合から炊けるか」で分かれます。容量そのものの決め方は電気圧力鍋の容量目安早見表にまとめています。

公式仕様では、タイガーのCOK-B220/B400は白米1合から、パナソニックのNF-PC400は白米0.36L(2合)からです。1合だけ炊きたい家庭では、ここで向き不向きがはっきり分かれます。

私自身、最初は「圧力鍋ならどれも同じことができる」と思い込み、仕様表のどこから見ればいいのかで迷いました。

この記事は実機で計測した検証記事ではありません。2026年9月時点のメーカー公式の仕様・レシピ・プレスリリースを型番単位で突き合わせ、作れるものの範囲と炊飯器代わりの判断基準を整理した比較記事です。

電気圧力鍋でできることは?公式レシピ10ジャンルで見る守備範囲

結論から言うと、電気圧力鍋でできることは「煮る」「蒸す」「炊く」の3系統に、「温度を一定に保つ」調理を足したものです。

煮込み専用の家電と思われがちですが、公式レシピを分類すると主食からデザートまで入っています。

パナソニックの公式レシピは10ジャンルに分かれている

パナソニックの電気圧力なべ「NF-PC400」の公式レシピ一覧は、次の10ジャンルで整理されています。

  • カレー・シチュー
  • 煮物(肉・魚・野菜・豆など)
  • ゆで物
  • 蒸し物
  • ごはん・パスタ
  • 汁物・スープ
  • ソース・下ごしらえ
  • スイーツ
  • 低温調理
  • 無水調理

中身には、角煮や肉じゃが、さばのみそ煮、ぶり大根といった定番に加え、炊き込みごはんや赤飯、プリン、茶わん蒸し、甘酒まで並びます。

NF-PC400は、パナソニック公式の概要ページで「2023年発売」と注記されている機種です。前モデルのSR-MP300(2019年発売)から数えて、同社の電気圧力鍋としては久しぶりのモデルチェンジにあたります。

圧力をかけると短時間で柔らかくなる仕組み

仕組みはシンプルです。密閉した鍋の中に蒸気を閉じ込めると圧力が上がり、水の沸点が100℃より高くなります。

アイリスオーヤマの公式メディア「+1 Day」(2023年11月公開・12月更新)では、一般的な圧力鍋について、120℃前後の高温で調理でき、普通の鍋より調理時間を大きく縮められると解説されています。

ただし、これは圧力鍋全般の説明です。電気圧力鍋は機種ごとにかける圧力が違うので、そのまま当てはめることはできません。

NF-PC400の公式仕様は70kPaゲージ圧(約115℃)です。ゲージ圧は大気圧に上乗せする分の数字で、1気圧(約101kPa)に70kPaを足すと約1.7気圧になります。

同じ「電気圧力鍋」でも高圧型と低圧型に分かれる

私が最初に見誤ったのは、「電気圧力鍋=高圧で一気に柔らかくする家電」と一括りにしていた点です。

タイガーの「TIGER COOKPOT」COK-B220/B400は、公式仕様で最高圧力15kPaです。公式ページでは約1.15気圧の「うま圧」と説明されています。

タイガーは公式ページで、一般的な電気圧力鍋は1.7気圧以上だとしたうえで、あえて圧力を低くしています。狙いは、調理を始めてから食べられるまでの時間を短くすることです。

市場には、ほかにもアイリスオーヤマ、ティファール、シロカなど多くのブランドがあります。この記事では、炊飯容量・予約・保温を公式ページで型番単位まで確認できた、高圧型(パナソニック)と低圧型(タイガー)の2社3機種に絞って比べます。

仕様表で最初に見るべきは、メニュー数より圧力の数字です。見るべき項目を順に並べたものは電気圧力鍋の選び方7つの基準にあります。今の私はここを入口にしています。

電気圧力鍋の断面図。中を縦の点線で分け、左は泡が少なく小さい低い圧力、右は泡が密集して上向きの矢印がある高い圧力を表している
※画像はAIによるイメージ

電気圧力鍋で作れない料理はある?得意な料理と注意が必要な食材

電気圧力鍋が最も力を発揮するのは、かたまり肉・根菜・骨ごと食べたい魚・乾燥豆のように、コンロだと長時間の火加減が必要な食材です。

一方で、膨らむ食材や粘りの強い調味料は、入れる量や順番に注意が必要です。

得意なのは「コンロの前を離れにくい料理」

NF-PC400の自動調理20メニューは、次のとおりです(パナソニック公式の仕様・詳細情報ページより)。

  • 肉料理:角煮、塩ゆで豚、肉じゃが、牛すじの煮込み、ロールキャベツ
  • 魚・和の煮物:さばのみそ煮、筑前煮、黒豆、おでん
  • 洋風・スープ:カレー、ブイヤベース、ヘルシースープ、ポトフ
  • ごはん:ごはん、玄米、お急ぎ圧力ごはん、炊込みごはん
  • その他:温泉卵、スチームチーズケーキ、甘酒

どれも、コンロだと鍋の前から離れにくい料理です。和食の定番煮物とご飯系が自動メニューにまとまっているのが、この機種の特徴です。

見落とされやすいのは「温度管理が難しい料理」

作れるものの中で見落とされやすいのが、茶わん蒸しや温泉卵、プリン、ヨーグルトのように、温度を一定に保つのが難しい料理です。

NF-PC400は低温調理を2段階の温度設定で行えます。タイガーのCOK-B220/B400は公式で「1台11役」をうたい、内訳は次のとおりです。

  • 圧力系:うま圧、高速
  • 加熱系:スロー、低温、無水、茹で、温め、炒め
  • その他:発酵、ベイク、炊飯

発酵の設定温度は公式仕様で30〜60℃です。「炒め」はふたを開けた状態で使うメニューで、煮込み前に具材を炒める工程にも使えると公式に説明されています。

注意が必要な食材と調味料

ここは情報サイトのまとめではなく、取扱説明書に「禁止材料」として書かれているものを見てください。パナソニック NF-PC400の取扱説明書(PDF)は、P.10「調理時の注意」で次のように定めています(2026年10月1日確認)。

  • 調理全般で禁止=多量の油(発火のおそれ)/はじける物(ポップコーンなど・やけどのおそれ)
  • ふたをして調理するとき(圧力調理・無水調理・煮込み)に禁止=ねばりけやとろみの強い物(カレーやシチューのルウ、小麦粉)/膨張する物(重曹、ちくわ、はんぺん、もち)/水以外の液体で膜が張りふきこぼれやすい物(牛乳、豆乳)/炭酸水(内圧が上がり調理物がふきだすおそれ)/表面が皮や膜におおわれた物(牛タン丸ごとなど。必ずフォークで穴を開けてから)/厚みのあるかたまり肉(厚さ4cm以下の物を使う)
  • 量の上限=材料と水分を合わせて内なべの3分の2まで。豆類は水分と合わせて3分の1まで。豆類や麺類など煮炊きで分量が増える物は「豆類MAX」線以上の量で圧力調理しない。おかゆは1合まで
  • 使い方の禁止=クッキングシートやアルミホイルで落としぶたをしない(キッチンペーパーは可)/ポリ袋・ジッパー付きポリ袋を使用しない(袋が破裂したり浮いて安全弁を塞ぐおそれ)

理由はどれも同じで、膨らむ・泡立つ・膜が張ることで、安全弁や圧力表示ピン、ノズルを塞いでしまうからです。ルウや小麦粉は「仕上げに入れ、ふたをせずに様子を見ながら煮込む」と取扱説明書に手順まで書かれています。

入れてはいけない食材をまとめて見たい場合は電気圧力鍋に入れてはいけない食材リスト|噴きこぼれ・事故を招くNG調理でも扱っています。

禁止材料は機種ごとに違います。上はNF-PC400のものなので、お使いの機種の取扱説明書で同じページを必ず確認してください。

「豆もパスタも全部NG」ではなかった

ここは私の認識が大きく変わった部分です。最初は「豆は圧力鍋に入れてはいけない」という一般論をそのまま信じていました。

ところが、NF-PC400は自動メニューに黒豆を持ち、公式レシピの分類名にも「ごはん・パスタ」があります。

つまり、NGかどうかは食材そのものでは決まりません。その機種の取扱説明書と公式レシピが示す分量と手順を守っているかで決まります。

今の私が一番重視しているのは、作りたい料理が公式の自動メニューか公式レシピに載っているかです。載っていれば、メーカーが分量と加熱条件を決めて出していることになるからです。


電気圧力鍋は炊飯器代わりになる?1合から炊けるかで決まる

炊飯メニューを持つ電気圧力鍋は、炊飯器代わりになります。ただし毎日の炊飯器として使うなら、炊飯容量の下限と保温時間を先に確認しないと使いにくくなります。

タイガーの2024年10月10日のプレスリリースでは、TIGER COOKPOT利用者の約半数がごはんを炊いているというアンケートを受け、「白米早炊き」メニューを追加したと説明されています。

メーカー自身が炊飯器代わりの使われ方を把握し、設計に反映しているわけです。

炊飯容量は「リットル」を「合」に換算して読む

炊飯器は「5.5合炊き」のように合で表記されますが、電気圧力鍋はリットルで書かれていることがあります。1合は180mlなので、自分で換算して比べるのが確実です。

NF-PC400の公式仕様は、白米0.36〜0.9L、玄米0.36〜0.72Lです。合に直すと、白米2〜5合、玄米2〜4合になります。

タイガーは合で併記しています。プレスリリースの仕様表では、COK-B220が白米1〜3合・玄米1〜2合、COK-B400が白米1〜6合・玄米1〜4合です。

炊飯器代わりとして見た3機種の比較表

炊飯の判断に直結する項目だけを、2026年9月時点のメーカー公式情報でまとめました。

項目NF-PC400COK-B220COK-B400
白米2〜5合1〜3合1〜6合
玄米2〜4合1〜2合1〜4合
予約3〜15時間後(自動調理の一部のみ)最大12時間最大12時間
保温調理後3時間まで(一部メニューは自動移行しない)最大12時間最大12時間

出典:パナソニック公式「NF-PC400 仕様・詳細情報」「NF-PC400 概要」、タイガー魔法瓶公式「電気圧力鍋<TIGER COOKPOT>COK-B220/B400」およびニュースリリース(2024年10月10日)。

早炊きの時間は、タイガーが公式ページで1合の場合にCOK-B220で最短約28分、COK-B400で最短約25分と案内しています。NF-PC400にも「お急ぎ圧力ごはん」がありますが、所要時間は仕様・詳細情報ページには載っていないため、表には入れていません。

発売時期は、COK-B220/B400が2024年11月1日、NF-PC400が2023年です。2026年9月時点で、どちらもメーカー公式サイトに商品ページが掲載されています。後継機が出ていないかは、購入前に各社の新製品情報で確認してください。

本体価格は変動するため、ここでは扱いません。傾向としては、同じシリーズなら容量が大きいほど本体価格も上がります。

見落としやすいのは「最低何合から炊けるか」

表を作って初めて気づいたのが、炊飯容量の下限です。

NF-PC400は白米0.36Lからなので、1合だけ炊きたい日は仕様の範囲外になります。タイガーの2機種は0.18L、つまり1合から対応しています。

炊き上がりの重さは吸水の具合で変わるので、ここでは数字を置きません。目安としては、1合(約150g)でお茶わん2杯ぶんくらいと考えておくと大きく外れません。

夫婦2人で夕食だけ家で食べる日なら、1合で足りる場面は珍しくありません。炊飯器を選ぶ感覚で上限の合数ばかり見ていると、ここを見落とします。

電気圧力鍋を炊飯器代わりにするなら、仕様表では上限より先に下限を見る。これが私の今の基準です。

圧力炊飯のご飯は、炊飯器と同じ仕上がりになる?

仕上がりの差を公式が数値で比べている資料は、見つけられませんでした。なので、ここは仕組みと公式の説明から整理します。

タイガーは公式ページで、炊飯器メーカーとしての長年の炊飯ノウハウと「うま圧」を組み合わせて炊くと説明しています。

一方、IH炊飯器は炊飯専用に内釜の素材や加熱の段階を作り込んでいます。何でも作れる電気圧力鍋の内なべとは、設計の前提が違います。

私としては、ご飯の味を最優先する家庭ほど、炊飯器を残す判断が合うと見ています。逆に「普段のご飯が炊ければ十分で、家電を1台減らしたい」なら、下限1合の機種は有力な候補です。

電気圧力鍋・コンロの鍋・オーブンを並べ、役割の違いを示した図
※画像はAIによるイメージ

電気圧力鍋のデメリットは?炊飯器を手放す前に見ておくこと

炊飯器を手放して電気圧力鍋1台に集約するときのデメリットは、ご飯とおかずを同時に作れないことと、表示の加圧時間より食卓に並ぶまでが長いことの2つです。

どちらも仕様表の目立つ場所には書かれていませんが、仕様を並べると見えてきます。あわせて、この待ち時間にメーカーがどう手を入れているか、高圧型と低圧型のどちらを選ぶかも見ていきます。

内なべが1つなので、ご飯とおかずは同時に作れない

電気圧力鍋はどの機種も内なべが1つです。ご飯を炊いている間は、角煮もカレーも作れません。

炊き上がったご飯を移してから煮込みを始めるか、煮込みを先に作ってからご飯を炊くか。その順番を毎回決める必要があります。

炊飯器を残しておけば、ご飯は炊飯器、主菜は電気圧力鍋と並行できます。私が一番迷ったのもこの点でした。

家電を1台減らせる魅力と、夕食の完成が遅れるリスク。判断するなら、平日に「ご飯と主菜を同時に仕上げたい日」が週に何日あるかを数えるのが早い材料になります。

表示の「加圧◯分」と、食べられるまでの時間は違う

電気圧力鍋は、圧力を上げる時間、加圧する時間、圧力が下がるのを待つ時間の3段階で動きます。

レシピの「加圧◯分」は、このうち真ん中の段階だけを指していることが多いです。前後の予熱と減圧にかかる時間は、機種・圧力・食材の量で変わります。

レシピの加圧時間だけで夕食の段取りを組むと、想定よりずれることが多いと考えておいたほうが安全です。

私が仕様やレシピを読むときは、「調理開始からふたを開けられるまで」の時間が書かれているかを探すようにしています。調理が終わったあとの置きっぱなしについては電気圧力鍋の保温時間と温度|そのまま放置が危ないのはどんなときで整理しました。

タイガーが「減圧時間」を公式の売りにしている理由

この待ち時間に正面から手を入れているのが、タイガーのCOK-B220/B400です。

公式ページでは、「うま圧」メニューは一定の圧力で調理したあと約7分で減圧が完了するとしています。COK-B220でレシピどおり23℃環境で調理した場合、調理開始からふたを開けられるまで約27分という例も示されています。

大容量のCOK-B400はヒーター電力を上げており、調理容量が約2倍でも調理時間は約1.5倍程度で完成すると公式に書かれています。

プレスリリースでは、想定する使い手を20代〜30代の共働き・子育て世帯としています。圧力を低くする代わりに、加熱から食卓までの総時間を縮める設計です。

高圧か低圧か、この先の流れをどう見るか

逆に言えば、骨まで柔らかくしたい煮魚や、かたい肉をしっかり煮込みたい料理では、NF-PC400のような高圧型に分があります。時間を取るか、柔らかさを取るかの違いです。

ここからは私の見立てです。炊飯メニューの強化と減圧時間の短縮は、どちらも「平日夜に毎日使う家電」への寄せ方なので、他社でも同じ方向の工夫は増えていくと見ています。

その場合、電気圧力鍋と炊飯器の境界はさらにあいまいになります。ただ、内なべが1つという制約は変わらないので、「1台で全部」か「2台で並行」かの判断は、今後も読者側に残り続けるはずです。


3機種の本体仕様は?置き場所と安全表示の確認ポイント

置き場所で見るべきは、本体の寸法よりふたを開けたときの高さです。安全面では、PSCマークとSGマークの意味の違いを知っておくと、表示を正しく読めます。

本体仕様の比較表

本体まわりの数値を、メーカー公式情報でまとめました。

項目NF-PC400COK-B220COK-B400
圧力70kPa(公式が「約115℃」と併記)最高15kPa(公式は温度換算を示していない。うま圧メニューは「約1.15気圧」と表記)最高15kPa(同上)
満水/調理容量3.9L/2.6L2.2L/1.2L(うま圧・高速)、1.4L(その他)4.0L/2.5L
幅×奥行×高さ(約)34.0×27.4×26.2cm28.1×27.4×22.6cm31.9×32.4×25.7cm
ふた開き時の高さ(約)仕様ページに記載なし42.7cm50.6cm
質量(約)4.2kg3.6kg4.6kg
消費電力約800W650W760W

出典:パナソニック公式「NF-PC400 仕様・詳細情報」、タイガー魔法瓶公式「電気圧力鍋<TIGER COOKPOT>COK-B220/B400」およびニュースリリース(2024年10月10日)。寸法は3機種とも公式表記が「幅×奥行×高さ」の順です。

COK-B220は満水容量2.2L、消費電力650W、質量3.6kg、ふた開き時の高さ約42.7cmです。COK-B400は満水容量4.0L、消費電力760W、質量4.6kg、ふた開き時の高さ約50.6cmです。NF-PC400は満水容量3.9L、消費電力約800W、質量4.2kgで、ふた開き時の高さは公式に記載がありません。

置き場所は「ふたを開けた高さ」で考える

タイガーはふた開き時の高さを公式に出しており、COK-B400は約50.6cmです。本体の高さ25.7cmのほぼ2倍なので、吊り戸棚の下では当たる可能性があります。

NF-PC400は、仕様・詳細情報ページにふた開き時の高さの記載がありません(2026年9月確認)。気になる場合は取扱説明書か販売店で確認してから、設置場所の上方向の空きを測るのが確実です。

減圧時には蒸気口から高温の蒸気が出るので、蒸気が棚や壁、コンセントに直接当たらない位置が前提になります。

4kg台の本体は、使うたびに出し入れすると重さを感じやすい数字です。「しまう場所」ではなく「出しっぱなしにできる場所」があるかで考えると、購入後に出番が減るのを防ぎやすくなります。

PSCは法律上の義務、SGは任意の民間認証

安全表示は、ここを取り違えやすいので整理します。

消費生活用製品安全法では、ゲージ圧力9.8kPa以上で使う内容積10L以下の家庭用圧力なべ・圧力がまは「特定製品」とされ、国の技術基準に適合してPSCマークを表示しないと販売できません。これは圧力なべ協議会の解説にも書かれています。

つまりPSCマークは、対象になる機種なら付いていて当たり前の表示で、他機種より安全だという差別化の印ではありません。

一方のSGマークは、一般財団法人製品安全協会の基準に合格した製品に付く任意の第三者認証です。万一製品の欠陥で人身事故が起きた場合の賠償措置がセットになっています。

タイガーはCOK-B220/B400の公式ページで、PSCとSGの両方の基準をクリアしていると注記付きで示しています。比べるときは、SGマークの有無を「任意で上乗せしているか」として見るのが正しい読み方です。

消費電力と、夕食前の家電の集中

消費電力は表のとおり、650〜約800Wです。夕食前は電子レンジや電気ケトル、食器洗い乾燥機が重なりやすい時間帯です。

契約アンペアや同じコンセント回路の使い方によっては、ブレーカーが落ちる原因になり得ます。置き場所を決めるときは、同じ回路にどんな家電がつながっているかも見ておくと安心です。

電気圧力鍋・電子レンジ・電気ケトルの3台が並び、コードが1本のテーブルタップに集まっているキッチンのイラスト
※画像はAIによるイメージ

平日の予約と作り置きで、電気圧力鍋の差が出るポイントは?

平日の使い方で差が出るのは、予約できるメニューの範囲と、作り置きで入れられる量(調理容量)の2点です。どちらも仕様表の注記を読まないと見落とします。そのうえで、機種を変えても減らない手間も最後に確かめておきます。ここを分けて見ないと、買ってから期待外れになります。

予約は「対象メニュー」を先に確認する

予約機能を使えば、朝に材料を入れて帰宅時刻に合わせて調理を終わらせられます。

ただし、NF-PC400は予約が「自動調理の一部のみ」です。平日に予約したい料理が対象に入っているかは、購入前に取扱説明書で確認しておきたいところです。

COK-B220とCOK-B400は、どちらも最大予約設定時間12時間・最大保温時間12時間です。朝炊いて夜まで保温するなら12時間、夕食前に炊いてすぐ食べるなら3時間でも困らない、という読み分けになります。

予約中は食材が室温に置かれるので、使える食材や季節の条件は、取扱説明書と公式レシピの指示に従うのが基本です。

作り置きは「満水容量」ではなく「調理容量」でそろえる

黒豆や塩ゆで豚、牛すじ煮込みのように、週末にまとめて作る料理は電気圧力鍋と相性がいい使い道です。

ここで注意したいのが容量の表記です。NF-PC400は満水3.9Lに対して調理容量2.6Lで、実際に料理を入れられるのは約3分の2です。

さらに見落としやすいのがCOK-B220で、COK-B220は満水2.2Lに対し、うま圧・高速メニューの容量は1.2Lと満水の半分強になります。

型番の「220」「400」は満水容量に近い数字なので、そのまま作れる量と読むと多く見積もってしまいます。作り置きの量で比べるなら調理容量、しかも使うメニュー別の容量でそろえるのが私の基準です。

家電では減らない手間もある

野菜を切る、肉を下処理する、献立を考えるといった手間は、電気圧力鍋を買っても残ります。

電気圧力鍋が引き受けるのは「火の番」です。平日に下準備すら難しい日が多いなら、カット済み食材のミールキットや食材宅配を併用するという選択肢もあります。


自分に合う電気圧力鍋はどれ?メニュー数の読み方と向き不向き

電気圧力鍋を「できること」で選ぶなら、炊飯器代わりの比重・献立の傾向・待ち時間の許容度の3つで考えるのが実用的です。メニュー数の大きさには振り回されないことが大事です。

自動メニュー数は、メーカーごとに数え方が違う

公式の数字を並べると、表記の違いがよく分かります。

  • NF-PC400:自動調理20メニュー
  • COK-B220/B400:オートモード42メニュー、仕様表の自動メニュー数は「クリーニング」を含めて43

同じ機種でも、何を「メニュー」と数えるかで数字が変わります。メニュー総数ではなく、自分が週に作る料理が自動メニューに入っているかで確認するのが確実です。

NF-PC400の20メニューは数だけ見ると少なく感じます。ただ、和食の定番とご飯系がまとまっているので、献立が和食中心の家庭には数以上に効く構成だと感じます。

目的別に見た向き不向き

公式仕様から読み取れる向き不向きを、目的別に整理すると次のようになります。

  • 炊飯器代わりの比重が大きい:白米1合から炊けて保温最大12時間のCOK-B220(〜3合)かCOK-B400(〜6合)
  • 和食の煮物と作り置きが中心:70kPaゲージ圧で調理容量2.6LのNF-PC400。炊飯は2合からなので、ご飯は炊飯器に任せる使い方と相性がいい
  • 帰宅後に作り始めて早く食べたい:減圧約7分を公式に示すタイガーのうま圧メニュー
  • 吊り戸棚の下に置きたい:ふた開き時約42.7cmのCOK-B220を基準に、上の空きを測って判断

タイガーの公式ページでは、COK-B220は2〜3人分、COK-B400は4〜6人分の調理に対応すると案内されています。家族の人数と、ご飯を何合炊くかの両方で容量を決めると迷いにくくなります。

候補が2機種まで絞れたら、次は機種ごとのレビューで操作パネルや手入れの細かい違いを突き合わせる段階です。

向いていない人もはっきりいる

一方で、次に当てはまる人は、作れるものが多くても出番が少なくなりがちです。

  • 一人暮らしで、自炊が週に数回程度しかない
  • カウンターに幅30cm前後の家電を出しっぱなしにできる場所がない
  • ご飯とおかずを毎日同時進行で作りたいのに、炊飯器も手放したい
  • 炒め物や焼き物が献立の中心で、煮込み料理をあまり作らない

特に3つ目は、「炊飯器代わりになる」という言葉だけで判断すると見落としやすい点です。


まとめ:電気圧力鍋でできることは「機種の仕様表」で決まる

電気圧力鍋は、煮込み・ゆで物・蒸し物・炊飯・スープ・スイーツ・低温調理まで作れる家電です。ただし、何がどこまでできるかは、同じ「電気圧力鍋」でも機種ごとに大きく違います。

炊飯器代わりとして使えるかは、次の4点で判断できます。

  • 白米の下限:1合から(COK-B220/B400)か、2合から(NF-PC400)か
  • 保温の上限:12時間(タイガー2機種)か、3時間(NF-PC400)か
  • 同時調理:内なべは1つなので、ご飯と主菜を並行したい日が多いなら炊飯器を残す
  • 総時間:「加圧◯分」ではなく、減圧まで含めた時間(例:COK-B220の「うま圧」メニューは、調理開始からふたを開けられるまで約27分。レシピに沿って23℃環境で調理した場合)で段取りを組む

1合炊きと長時間保温を重視するならタイガーの2機種。和食の煮物と作り置きを高圧でしっかり仕上げたいならNF-PC400。どちらを取るかは、自分の台所で一番多い使い方から逆算してみてください。

「作れるものの多さ」より「自分が週に何を作るか」から選ぶほうが、棚で眠らせない1台に近づきます。


この記事で仕様を並べた3機種です。1合から炊けて保温12時間のタイガー2機種(2〜3人分のCOK-B220、4〜6人分のCOK-B400)と、70kPaの高圧で和食の煮物に強いパナソニック NF-PC400。いまの取り扱いと価格はここから。

よくある質問

電気圧力鍋でカレーを作るとき、ルーはいつ入れる?

粘りのあるルーは、加圧中に蒸気の通り道を詰まらせるおそれがあるため、加圧と減圧が終わってから入れる手順が一般的です。自動メニューの手順は機種ごとに異なるので、使う機種の公式レシピの順番に合わせてください。

一人暮らしなら、どのサイズの電気圧力鍋が合う?

作る量より、置き場所と自炊の頻度で考えるのが現実的です。タイガーの公式案内ではCOK-B220が2〜3人分向けで、白米は1合から炊けます。自炊が週に数回程度なら、使う頻度を見積もってから検討しても遅くありません。

PSCマークが付いていれば安全性は高いと考えていい?

PSCマークは、ゲージ圧力9.8kPa以上・内容積10L以下の家庭用圧力なべに法律で義務付けられた表示です。付いていて当然の表示なので、上乗せの判断材料にするならSGマーク(任意の第三者認証)の有無を確認してください。

この記事の出典(メーカー公式と公的・準公的の資料)

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この記事を書いた人
橘亮介

買ってから後悔する人を減らしたい。それだけのために、このサイトをやっています。

調理家電は、カタログの数字を見比べても決まりません。効いてくるのは容量・置き場所・洗うパーツの数といった地味なところで、たいてい買った後に気づきます。だから公式の仕様を突き合わせて、先に分かる形にしています。

共働きの家事分担をきっかけに、調理家電の仕様を調べ尽くすようになった橘です。数値はメーカー公式の表記を確かめてから書きます。確かめられない数字は書きません。向かない方のことも、はっきりお伝えします。

記事の中で「ここ違うのでは」と思われたら、ぜひ教えてください。

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